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東京海上日動、【国内初】3社協業で使用済自動車を活用したアクリル樹脂リサイクルの取組みを実施へ

東京海上日動は、自動車保険ネットワークを活用し、三菱ケミカルグループ※1および株式会社ABTと共同で、使用済自動車※2 からアクリル樹脂を回収・再利用するためのスキームについて3月から実証実験を開始する。
今般、アクリル樹脂ケミカルリサイクルの事業化を目指している三菱ケミカルグループと、東京海上日動の取得した使用済自動車の再販売や自動車リサイクル法に則った適正な解体処分等を担うABT社と、3社の共同実証実験に関する基本協定書を締結し、アクリル樹脂回収・再利用スキーム構築に係る協業を開始する。東京海上日動は、本スキームの拡大およびスキームを支える新たな保険商品の開発・検討を進めることで、脱炭素社会・循環型社会の実現を支援していく。
日本は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとするカーボンニュートラルを目指しており、その実現に向けて、サーキュラーエコノミー(循環型経済)※3への移行が不可欠となっている。自動車においても、リサイクルや環境への配慮から、2005年に自動車リサイクル法が施行され、自動車の解体やリサイクルについての基準が厳格化され、適切な解体やリサイクルが求められているものの、未だ使用済自動車からの廃棄素材の回収・リサイクルスキーム構築においては課題が山積している状況である。
東京海上日動は、脱炭素社会の実現に貢献するべく、2021年2月に「グリーン・トランスフォーメーション(GX)タスクフォース」を設置し、再生可能エネルギー等を対象とする保険商品・サービスの開発・提供やリスクコンサルティングを通して、お客様のカーボンニュートラルの実現・脱炭素社会への移行に向けた取り組みを支援してきた。
また、2022年8月に発表したサーキュラーエコノミーへの取り組みでは、従来は廃棄されていた事故にあった繊維製品やペットボトル飲料商品について、破棄ではなくリサイクルする際のリサイクル費用や回収物流費用等を補償する保険商品の開発を進めている。
このほど、同社は脱炭素社会・循環型社会の実現をさらに支援するため、三菱ケミカルグループおよびABT社と3社で共同実証実験に関する基本協定書を締結し、まずは使用済自動車におけるアクリル樹脂回収・再利用スキームを構築し、これまで廃棄されてきた使用済自動車における資源循環の取り組みを開始する。
●本取り組みの概要
東京海上日動は自動車事故において全損となった車両の保険金支払いに伴い、多数の使用済自動車を取得している。今般3社は、取得した使用済自動車の再販売や自動車リサイクル法に則った適正な解体処分等を担うABT社の保有する解体業者のネットワークを通じて、使用済自動車からテールランプやバイザー等のアクリル樹脂を回収し、三菱ケミカルグループの技術を活用することで新たなアクリル樹脂として再利用するスキームの構築を目指す。
まずは関東地区の数社の解体事業者を通じて、2023年3月から1か月程度の期間、1,000台程度の使用済自動車での実証実験を行う。実証実験を踏まえて、オペレーション・素材の品質・コスト等の検証を行い、2024年度にもABT社の全国のネットワークでの取り組みに拡大していくことを目指す。
なお、自動車保険のネットワークを活用して使用済自動車からアクリル樹脂を回収する試みは国内初の取り組みとなる。
同社は、保険本業を通じて取得した使用済自動車から廃棄される素材を回収してリサイクルすることを通じ、脱炭素社会の推進に貢献していく。
※1:三菱ケミカルグループは、三菱ケミカルグループ株式会社とそのグループ会社を指す。
※2:自動車リサイクル法では、自動車としての使用を終了したものを使用済自動車と定義しており、発生台数は年間で約336万台(2019年度数字:自動車リサイクル促進センター出典)。
※3:サーキュラーエコノミーは、資源不足や廃棄物処理が問題となる中、資源の効率的な利用により価値を生み出す経済活動として注目されており、3Rと呼ばれるリデュース・リユース・リサイクルの取り組みに留まらず、商品設計の段階から廃棄物を生まない回収を前提とした設計を行うもの。

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