三井住友海上、大災害債「AkibareRe2020-1」をシンガポールで発行
三井住友海上は、今般、国内の自然災害リスクを対象とする大災害債(以下、「キャットボンド」)「AkibareRe2020-1」をシンガポールで発行した。
シンガポールは、補助金制度を設けるなど、キャットボンド等の保険リンク証券※1市場の活性化に取り組んでいる。こうした環境下、同社はアジア所在の会社として初めてシンガポールでキャットボンドを発行した。
同社は、今後も再保険やキャットボンドの適切な活用を通じて、リスク管理を強化し、経営の健全性向上に努めていく。
※1:保険リスクを対象とする証券化商品の総称。資本市場を活用したリスク移転方法として活用されており、投資家は証券化商品に投資することで、一般の金融市場との相関関係が低い投資利回りを得ることができる。
1.「AkibareRe2020-1」の概要
「AkibareRe2020-1」は、シンガポールに設立した特別目的会社である「AkibareRePte.Ltd.」を通じて機関投資家向けに発行したものである。国内の自然災害によって生じた損害があらかじめ設定した条件を超過した場合に、その超過額に応じて投資家へ償還予定の元本の一部または全部を、再保険金として充当する。
発行時期 2020年3月
満期 2024年3月末(期間4年)
対象リスク ①日本国内の台風リスク②日本国内の洪水リスク
発行金額 100百万米ドル(約110億円※2)
利回り 担保債券の利回り+2.75%
※2:1米ドル=110円による換算値
2.キャットボンド発行の背景
近年、台風や洪水等の国内自然災害の発生により、甚大な被害をもたらすケースが増えており、こうした大規模な自然災害が続くことで、再保険市場の不透明性が高まっている。
そこで今回、当社は、再保険により保有リスク量の削減を図りつつ、再保険カバーの調達手段を多様化させて長期安定的なカバーを確保するため、本キャットボンドを発行することとした。