損保ジャパン日本興亜、AIを活用したナレッジ検索システムの提供
損保ジャパン日本興亜は、AIを活用したナレッジマネジメント・プラットフォームとしてナレッジ検索システム「教えて!SOMPO」を開発し、委託代理店への提供を開始した。
1.背景・経緯
不確実性が高まるなか、企業などの組織において、経験値や暗黙知などのさまざまな知識の発見、蓄積、共有、活用を行う一連のプロセスを体系的にマネジメントしていく「ナレッジマネジメント」の重要性が高まっている。
損保ジャパン日本興亜においても、日々の照会業務に多くの時間を割いており、「保険商品や契約管理に関する情報の格納場所が散在しており、一括で検索できない」「営業活動に有効な情報や知識を共有するためのプラットフォームがない」といった悩みを抱えていた。損保ジャパン日本興亜は、これらの課題を解決するために、ナレッジマネジメント・プラットフォームとしてAIを活用したナレッジ検索システム「教えて!SOMPO」を2018年4月に開発し、社内の運用を開始した。これにより一定の効果が得られたため、 このたび「教えて!SOMPO」の代理店への提供を開始することとした。
2.概要
(1)「教えて!SOMPO」導入による成果
社内で運用を開始した「教えて!SOMPO」では、「さまざまなコンテンツが格納されているデータベースを横断検索し、効率的に調べること」および「本社と営業店間の照会・回答の内容をデータベースへ蓄積するとともに、コンテンツ化(次回の検索から回答として表示)することで、組織内でナレッジを共有すること」が可能になった。
「教えて!SOMPO」導入により、検索件数は導入前と比較し、1.25倍に増加する一方、電話による照会件数は、45%減少した。また、「教えて!SOMPO」内で課題解決した割合は、97.5%を超えており、現場力向上と業務効率化を同時に達成することができた。
(2)主な機能
「教えて!SOMPO」の主な機能は以下のとおりである。(標題のみ抜粋)
<主な機能>
・横断検索
・照会・回答
・営業店による回答作成
・コンテンツ管理・分析基盤
■詳細:https://www.sjnk.co.jp/~/media/SJNK/files/news/2019/20191113_1.pdf
なお、照会データから自動的に「簡易FAQ」を作成するプロセスは、独自ノウハウとして特許を取得している。
また、「教えて!SOMPO」では、人間中心設計プロセスに基づくシステム開発※を採用しており、ユーザーの満足度を高めるため、日々の業務において使いやすいデザインを採用している。
※ユーザーの課題解決のためのデザインを第一義に捉えた設計手法。画面やインタラクションのデザインをプログラム設計より先行し、反復してユーザービリティ評価を行うことで満足度の高いシステム構築を目指す。なお、本開発はドリーム・アーツ社、JSOL社およびSOMPOシステムズと共同で開発。
(3)代理店への提供
全国約5万3千店の同社委託代理店への提供を開始しており、「教えて!SOMPO」により、お客さまからの照会に迅速に対応できる体制を充実し、代理店内の情報やナレッジの共有も可能になる。
3.今後について
代理店での利用状況をふまえ、音声認識技術を活用したコンテンツなどの機能追加を検討していく。損保ジャパン日本興亜は、今後も新たな技術を活用し代理店の課題解決を支援する取組みを積極的に進めることで、お客さまの利便性向上を図っていく。