あいおいニッセイ同和損保、介護・福祉事業者向け総合商品を改定
あいおいニッセイ同和損保は、認知症患者の増加、情報漏えいの社会問題化といった近年の環境変化に対応するため、介護・福祉事業者向け商品の改定を実施する(2017年4月1日以降保険始期契約から)。
近年、認知症患者数は増加を続けており、2025年には65歳以上の5人に1人が罹患するといわれている。認知症を患うと、徘徊などで誤って線路に立ち入るなどして電車を止めてしまい多額の損害賠償請求を受けるケースも想定されるため、万一の事故への備えとして保険のニーズが高まっている。また、公的機関や企業の個人情報漏えい事件のように、サイバー攻撃などを原因とする情報漏えい事件が社会問題となっており、2016年1月のマイナンバー制度スタートや17年春に予定されている改正個人情報保護法の施行もあり、情報漏えいに備える保険への関心も高まっている。
こうした状況を踏まえ、同社では、以前から販売している、老人ホームやデイサービス等を運営する介護サービス事業者等を対象とした、損害賠償責任を中心とした事業者を取り巻く様々なリスクを1保険契約で総合的にカバーできる「介護保険・社会福祉事業者総合保険」を改定することにした。
改定内容としては、従来の商品では補償されなかった「財物損壊を伴わない、財物の使用不能による損害賠償責任」を、すべての契約で補償する。例えば、老人ホームを抜け出した利用者が誤って線路に立ち入るなどして、接触事故は発生していないが電車を止めてしまった場合に、事業者に生じる賠償損害(例:鉄道会社から請求される振替輸送費)を、保険期間中3000万円を限度に補償。
さらに、利用者などの情報が漏えいした場合の事業者の損害賠償責任などを補償する特約(任意セット)を改定。従来の商品では、情報が第三者に知られたことが明らかな場合のみ補償していたが、今回の改定により、情報漏えいのおそれが発生した場合も新たに補償する。例えば、利用者の介護サービスに関する情報をFAXで誤送信した場合や、利用者情報を格納しているデータベースに不正アクセスがあった場合などで、その情報が第三者に知られたか不明である際に、事業者に生じる賠償損害(例:精神的苦痛による慰謝料)や費用損害(例:見舞金費用)も補償する。