新日本保険新聞社・シンニチ保険WEB

東京海上日動、カーボンクレジットの調達におけるリスクマネジメント支援サービスの提供開始

東京海上日動は、企業がカーボンニュートラル達成に向けた対応を進める中で、カーボンクレジット(以下、クレジット)の調達におけるリスクマネジメント支援サービスの提供を開始した。
同社は、企業が安心してクレジットを調達できるよう、グリーンウオッシュを被るリスクを低減させる品質基準の策定などの支援を行なうことで、カーボンニュートラルの実現・脱炭素社会への移行に一層貢献していく。
1.背景
近年、企業などにおいては、カーボンニュートラルに関する計画を達成するための手段として、GHG削減努力に加えて、クレジットを活用する動きが増えている。パリ協定を締約した各国が温室効果ガスの排出削減目標を達成するためには、2030年に世界で最大100兆円規模(※)のカーボンクレジットが必要という試算もあり、今後もクレジットを創出するプロジェクトの増加が見込まれている。
一方で、市場には様々なクレジットが流通しており、調達したクレジットが企業にとって、期待する環境貢献を果たすクレジットであるか評価することや、リスク管理が大きな課題となっている。
このような中、同社は、クレジットの購入者・所有者向けに、クレジットの創出元であるプロジェクトがグリーンウォッシング批判を受けた場合に必要となる対策費用(弁護士相談費用等)や代替クレジットを調達する費用等を補償する保険商品を提供してきた。
このような保険商品の開発を通じて得られた知見を活用し、今般、同社は、企業のクレジットの調達基準の策定を支援する新たなサービスを提供することとするした。
(※)The Business Research Company発行「カーボンクレジットの世界市場レポート2024年」
(1)クレジット調達基準の策定に向けた支援
CCPs(※2)をはじめとするグローバルスタンダード・各種イニシアチブの動向や、グローバルなベストプラクティスを参考として、公開されているデータの透明性から期待する環境貢献を果たすクレジットであるかを評価する基準に加え、企業の事業活動との親和性(地域性や種別など)や戦略的なクレジットの活用方法を見据えた調達基準の策定を支援する。
(※2)CCPs:クレジット市場におけるグローバル基準の設定を目的とした組織であるICVCMが定めた、カーボンクレジットにおける高い信頼性の要件を示した10の原則
(2)クレジット基準に基づく検証フローの導入支援
中長期的なリスクマネジメントの見地から、クレジットを調達した企業が自ら策定したクレジット基準を満たしているか検証するフローの導入を支援する。具体的には、公開情報における追加性や透明性といった確認ポイントやディベロッパー・仲介業者とのコミュニケーションのポイント等をまとめて提供する。
クレジットに関連する規制等は、刻一刻と変化しており、本サービスについても定期的に見直しを図る予定であり、企業は最新の情報に基づき、より高品質なクレジットの調達が可能となる。
3.今後について
同社は今後も、一連の保険商品・サービスを通じて企業が安心してクレジットを調達できる環境を実現していく。

関連記事(保険業界ニュース)

生保

住友生命、暑熱環境下で働く作業員の熱中症対策に特化した熱中症対策プログラムの紹介業務を開始

損保

東京海上ホールディングス、東京海上日動の業務改善計画の進捗および改善状況について(その5)を発表

損保

東京海上日動、中小企業向け保険「超Tプロテクション」へのカスタマーハラスメント発生時の補償導入

損保共済

こくみん共済coop〈全労済〉、東京・代々木公園にて「もしもFES渋谷2025」を開催

生保

かんぽ生命、2025年度ラジオ体操出席カードの配布開始

損保

損保ジャパン、新宿本社ビルにパーパス壁画制作

生保

生保協会、生命保険契約照会制度の利用料金改定

損保協会・団体

損保協会、ガイドライン等を踏まえた会員会社の 取組み状況を公表(第2回)

生保

三井住友海上プライマリー生命、「お客さま第一の業務運営に関する方針」に基づく2024年度の取組み状況を公表

生保

ネオファースト生命、「生成AI×保険事務サービス」NTTデータ社と協働しCX向上と業務変革目指す取組み