新日本保険新聞社・シンニチ保険WEB

セゾン自動車火災、AIを活用した保険金不正請求検知ソリューションの運用開始

セゾン自動車火災は、フランスのスタートアップ企業であるシフトテクノロジー社が提供する、不正な手法による保険金の請求を検知するソリューションの運用を開始した。保険金支払いの基幹業務において、スタートアップ企業との協業による不正請求検知ソリューションを導入するのは、国内の通販型損害保険会社で初の事例となる。
1.導入の背景
近年、不正な手法による交通事故関連の保険金の請求は増加している(令和2年「警察白書」より)。組織的な犯行だけでなく、インターネットで気軽に情報を得られることにより、不正な請求を行う主体の裾野が広がり、社会問題となっている。従来、このような不正な請求は、保険金お支払い部門の担当者が事案の内容を確認しながら抽出を行っていたが、その知識の伝承や専門人材の不足が課題になっていた。
今般、セゾン自動車火災は、不正請求を排除し、善良なお客さまへの公平・公正な保険金支払い態勢を維持するため、デジタル技術による不正請求検知に高い知見を有するシフトテクノロジー社のソリューションを導入することを決定した。
2.保険金不正請求検知ソリューションの概要
膨大な過去の保険金支払データをAI技術の活用により分析し、不正請求と相関関係の高い事故データを検知する。また、請求に関わる当事者等の隠れた関係性をネットワーク図にして可視化する機能も備えており、組織的な不正の疑いがある保険金請求を効率的に検知できる。
早期に不正請求を排除することにより、真に保険金が必要なお客さまに迅速に保険金を支払い、支払い業務の適切性を維持することができる。
また、シフトテクノロジー社が擁する多くのデータサイエンティストが継続的に事故データを分析して不正請求手法を検出し、検知プログラムを改良することで、今後さらに複雑化・巧妙化していく保険金の不正請求にも適切に対応することができる。
3.今後について
セゾン自動車火災は、シフトテクノロジー社との協業により、保険金支払業務を高度化し、これまで以上に迅速かつ適切な保険金支払いにつなげていく。
また、今後も先進デジタル技術を活用した革新的なサービスを提供してお客さまの安心・安全な日々をサポートするとともに、損害保険制度の安定的な運営に努めていく。

関連記事(保険業界ニュース)

生保

ジブラルタ生命、「保全ペーパーレスシステム」の対象手続拡充および「給付金オンライン請求」の請求対象拡大

損保

東京海上ホールディングス、「東京海上グループAIガバナンスに関する基本方針」を制定

生保

ネオファースト生命、「生成AI×保険事務サービス」NTTデータ社と協働しCX向上と業務変革目指す取組み

生保

太陽生命、DXを活用した業務改革で事務作業を大幅に効率化

損保

三井住友海上、住宅に関する商品・サービス革新に向けたプロジェクト始動

損保

三井住友海上、照会応答機能の高度化に向けた業務特化型LLMを開発

生保

SBI生命、自社開発したAI搭載議事録要約アプリ「TEX(テックス)」をリリース

生保

マニュライフ・ファイナンシャル・コーポレーション、全社で生成AI機能を導入し社員利用率75%達成

損保

イーデザイン損保、生成AIを活用した業務支援ツールを開発、事故対応サービス業務を高度化

損保

楽天損保、火災保険と傷害保険の事故受付に「AI自動音声システム」を導入