損保ジャパン、全国のカスタマーセンターに人工知能(AI)の自動支援機能を導入
損保ジャパンと、NTTコミュニケーションズ(以下「NTT Com」)は、損保ジャパンが全国のカスタマーセンター(約400席)に導入している「アドバイザー※自動知識支援システム」において、さらなる応対品質の向上と業務の効率化を実現する「FAQ・マニュアル自動検索機能」を3月に追加する。
本機能は、電話応対時の会話における重要なポイントをAIが自動で識別し、FAQやマニュアル、パンフレットの中から関連する箇所をリアルタイムにアドバイザーに的確に提示するものである。
※ 損保ジャパンでは、オペレーターを「アドバイザー」と称している。
本システムは、お客さまとカスタマーセンターのアドバイザーとの通話内容をAIによる音声認識技術でテキスト化し、そのテキストデータに基づいて、アドバイザーが使用するパソコン上にリアルタイムで最適な回答候補をAIが表示するものである。損保ジャパンとNTT Comは、2018年3月から、本システムをカスタマーセンターで運用し、その後もシステムの機能を高度化するため、共同実験を続けてきた。
従来のシステムは、対話の内容からAIが自動でキーワードを抽出し、その後はアドバイザーがキーワードの中からお客さまの用件に相当するキーワードを手動で選択することにより、FAQを検索・表示していた。
本機能では、「お客さま用件の自動抽出」技術によって、キーワードの中から自動でお客さまの用件を選択し、的確に提示することが可能になった。また、これにより、判別した用件に関連するFAQやマニュアル、パンフレットなどの文書の検索・表示までの一連の流れを、自動で行うことを可能にしている。
また文書の検索・表示に際しては、「マニュアル構造理解」技術を用いており、キーワード検索よりも的確に、文書中の適切な記述を検索し、該当箇所を表示することができるようになった。
さらに、アドバイザーから得たフィードバックを学習データとして活用し、継続的に検索精度を向上していくための仕組みを構築している。