東京海上ホールディングス、地震キャットボンド「Kizuna Re III」を発行
東京海上ホールディングスは、子会社の東京海上日動を通じて、日本国内の地震リスクを対象とするキャットボンド「Kizuna Re IIIシリーズ2024-1クラスA」(以下、「Kizuna Re III」)を発行した。本キャットボンドの元本は、世界銀行グループの国際復興開発銀行(以下「IBRD」)が発行する開発途上国支援のためのサステナブル・ディベロップメント・ボンド(以下「SDB」)に投資する。こうした仕組みの構築は、日本で初めての取り組みとなる。同社は、グループのサステナビリティ戦略の一環として、キャットボンド発行を通じた開発途上国支援にも資する仕組みを構築し、サステナブルな社会の実現に貢献していく。
1.背景
東京海上グループは、「事業活動を通じて社会課題を解決し、サステナブルな社会を実現する取り組み(サステナビリティ戦略)」を中長期的な成長エンジンとして位置付け、気候変動対策や災害レジリエンスの向上、自然の豊かさを守る取り組みを推進している。
東京海上日動は、自然災害大国である日本において、災害に対応する商品・サービスを将来にわたって安定的に提供し「災害レジリエンスの向上」に貢献していくため、伝統的な再保険キャパシティの調達に加えて継続的にキャットボンドを発行してきた。こうした中、東京海上日動はサステナブルな社会の実現に貢献するため、従来のキャットボンドの発行に留まらず、ESGの取り組みにつなげる新たな仕組みを日本で初めて構築した。
2.地震キャットボンド「Kizuna Re III」の概要
<Kizuna Re III>
発行体 Kizuna Re III Pte.Ltd.(シンガポール)
スポンサー 東京海上日動
対象リスク 日本国内の地震
トリガー 3年間累積の最終正味損害額(一定規模以上の地震のみ対象)
発行金額 額面100百万米ドル
発行年月日 2024年3月21日
満期年月日 2029年4月6日
本キャットボンドは、将来の巨大地震発生に備えるための資金を調達するため、シンガポールに設立した特別目的再保険会社である「Kizuna Re IIIPte.Ltd.」によって機関投資家向けに発行したものである。