損保ジャパン、ロジスティードとSOMPO物流業界2024年問題の解決に向け提携
損保ジャパンとロジスティード株式会社およびSOMPOリスクマネジメント株式会社(以下「SOMPOリスク」)は、ロジスティードグループが展開するデジタルプラットフォーム「SSCV(R)」を活用して、物流業界の2024年問題※に対応するために、2023年4月より提携を開始した。
1.背景
物流業界の2024年問題に対応するためには、デジタルを活用した業務効率化や、トラックドライバーが健康で安全に業務できる労働管理体制の構築、さらには発生すると大きなコストと時間がかかる交通事故の防止といったさまざまな対策を、2024年4月までに実施することが必要不可欠となっている。一方で、日本の輸送業界は従業員50名以下の中・小規模な事業者が約90%を占めており、短期間にこれらの対策に取り組むには限界がある。
SSCVは、こうした物流現場の課題やニーズに対応するために、ロジスティードが自社で開発し、自らの事業で利用しながら機能改善・向上を図ってきた、物流会社にしか提供できないソリューションである。小規模な輸送事業者でもSSCVの導入により、短期間で必要な対策を実施することが可能になる。
2.提携の目的
ロジスティードグループは、ESG経営に向けて「強靭で持続可能な物流サービスの構築・進化」「協創による新たな価値の創出」などを注力分野として掲げ、ドライバー不足や2024年問題などの社会課題への対応を進めている。
SOMPOグループは、お客さまが健やかで幸せな人生を実現できる「安心・安全・健康のテーマパーク」をめざし、保険事業にとどまることなく、様々な方面で協創を拡大している。
3社は、今回の提携を通してそれぞれのノウハウや顧客基盤を持ち寄り、できるだけ多くの輸送事業者に提供することで、デジタル化による業務効率化やヒヤリハットの撲滅による事故ゼロを支援し、輸送事業者の経営支援と持続可能な物流の実現をめざす。
3.SSCVの概要
SSCVは、3つのソリューションで輸送事業者をサポートするデジタルプラットフォームである。トラックドライバーの安全確保、業務効率化、法令遵守、持続可能な経営などの輸送業界が直面しているさまざまな課題を、先進のデジタルテクノロジーとオープンな協創、そして物流会社の知見によって解決する。
■SSCVの3つの機能
①SSCV-Smart
受発注管理、配車管理、運行管理、会計管理、労務管理、調達管理といった煩雑な事務処理やコンプライアンス強化への取組みなど、輸送事業者が抱える業務課題をテクノロジーの力で解決し、スマートな働き方や経営を支援するための輸送業務支援ソリューション
②SSCV-Safety
ドライバーの運行前後および運行中の生体データと、ドライブレコーダや車両の挙動などから取得した運転データをAIで分析し、独自に開発した事故リスク予測アルゴリズムとテクノロジーを組み合わせて、ドライバー自身が気付くことのできない「疲労」や「ストレス」を可視化することで、漫然運転に起因する事故を未然に防ぐ安全運行管理ソリューション
③SSCV-Vehicle
車の調達から買取りまでを支援する車両の一元管理と、IoT技術・ビッグデータを活用した予防診断を合わせた、車のライフサイクルをサポートする車両管理支援サービス。計画的な予防整備により、車両故障に起因する事故や、修理費用およびロスコストを低減する
4.各社の役割
今回の提携における各社の役割は以下のとおりである。
《ロジスティード》
・安全運行管理ソリューション「SSCV-Safety」の提供と導入支援
・SSCVを導入された輸送事業者へのアフターケア
《損保ジャパン》
・自動車事故防止・運輸安全マネジメント向けにSSCVのサービスメニュー化
・保険営業ネットワークを活用したサービス展開支援
《SOMPOリスク》
・輸送事業者への「SSCV-Safety」の紹介提案
・安全教育ツールや安全管理体制構築支援コンサルティングサービス等の提供