損保ジャパン、生成AIを活用した代理店業務品質評価システムの機能拡張
損保ジャパンは、2026年6月から本格展開されている損害保険業界共通の「代理店業務品質評価制度」において、代理店との建設的な対話に向けた支援体制の構築を進めている。その一環として、生成AIを活用した「対話・フィードバック補助機能」を開発し、2026年7月末にリリースした。
本機能は、2026年1月に公表した「生成AIを活用した代理店業務品質評価システム」の機能を拡張したものであり、PalantirTechnologiesJapan株式会社(以下「Palantir」)が提供するデータ統合基盤「PalantirFoundry※1」およびAI基盤「PalantirAIP(ArtificialIntelligencePlatform)※2」を活用した生成AI搭載システムである。
1.背景
2026年6月から、損害保険業界共通の新たな枠組みとして、一般社団法人日本損害保険協会による「代理店業務品質評価制度」が本格展開された。本制度は、代理店が自己点検チェックを通じて業務品質を客観的に評価し、課題を特定・改善する「主体的・自律的な取組み」を支援する制度である。保険会社は、この自己点検結果に基づき、代理店との「対話」を通じて業務品質の向上をサポートする役割を担っている。
損保ジャパンでは、社員が代理店と点検項目の意義や「お客さま本位の業務運営」の実現に向けた対話を繰り返し行っている。そのなかで、社員の経験年数やスキルの違いに依存せず、高品質なフィードバックを均質に提供できる仕組みが不可欠であると考え、本機能を開発した。
2.「対話・フィードバック補助機能」の概要
本機能は、代理店から提出された自己点検チェック結果に対し、単なる集約にとどまることなく、点検項目ごとの背景や法令内容に加えて、同社独自の客観的な判定基準や定量実態データを統合して分析する。分析結果に基づき、生成AIが「対話シナリオの素案」をシステム上で自動生成する。
【主な特長と導入効果】
(1)「フィードバックの目線統一」と「対話スキルの高位平準化」
経験やスキルに左右されることなく、全社員が均質かつ高い水準でフィードバックや改善提案を行えるようになる。これにより、代理店の適切な体制整備に向けた対話の質を底上げする。
(2)データに基づいた客観的かつ深度ある対話の実現
代理店の自己評価(点検結果)に客観的データを掛け合わせることで、実態との乖離や潜在的な課題を浮き彫りにし、代理店の自発的な「気付き」を促す深度ある対話を実現する。
(3)対話準備・評価プロセスの効率化
自己点検結果の確認から、対話シナリオの作成、フィードバック内容の管理までを同一のプラットフォーム上でシームレスに行うことで、対話そのものに注力できる環境を整える。
3.今後の展開
本機能は、2026年7月末から社内展開を開始しており、2026年度の「代理店業務品質評価制度」における自己点検プロセスにて全面的に活用していく。活用にあたっては、生成AIが作成した対話シナリオの素案に対し、必ず人間(社員)が介在して確認・修正を行う「Human-in-the-Loop(ヒューマン・イン・ザ・ループ)」の仕組みを徹底する。これにより、生成AIによる業務効率化と人間ならではの高度な判断を融合させ、安全かつ信頼性の高いフィードバック体制を確立する。
損保ジャパンは、生成AIをはじめとする最先端技術の安心・安全な活用を通じて、代理店の業務品質の継続的な向上を支援し、お客さま本位の業務運営の実現と、健全な保険募集体制の構築に努めていく。
※1 PalantirFoundry
様々なシステムに分散した大規模データを統合管理するPalantirのプラットフォームである。
※2 PalantirAIP
企業や公的機関が自らのガバナンスとセキュリティのもとで、LLM(大規模言語モデル)やAIエージェントを業務プロセスに安全に組み込み、運用するためのPalantirのプラットフォームである。役割に応じた権限管理、運用統制およびヒューマン・イン・ザ・ループ設計を備えており、PalantirFoundryと連携することで、組織内のデータ分析や業務自動化のためのAI活用を短期間で実現する。
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