損保ジャパン、日立ソリューションズとIoTセキュリティ分野で協業
損保ジャパンと株式会社日立ソリューションズ(以下、日立ソリューションズ)は、製造業におけるスマートファクトリー化に代表されるようなIoT(Internet of Things)活用の成果を最大限に享受するために、従来問題視されていたセキュリティリスクを適切に評価し、保険料と連動させることで、ビジネス合理性を担保できる保険サービスの共同開発をめざすことで合意した。
まずはその第一弾として、6月26日より、IoTデータを収集し、セキュリティリスクを診断するPoC(ProofofConcept:概念検証)に協力企業を募集する。
■サービス開発の背景
Society5.0の実現に向けて、製造業や社会インフラの制御システムでは、さまざまなIoTデータをクラウド上に収集・分析し、工場やプラントなどで使用されている機器の稼働状況を可視化し、生産性や品質の向上に生かすことが期待されている。しかし、制御システムを狙ったサイバー攻撃や、IoT機器の脆弱性を狙った不正アクセスなどセキュリティの脅威は増大しており、その対策は重要な経営課題である。
このような課題を解決するため、従来、日立ソリューションズは制御システムやIoTにおけるセキュリティ対策のコンサルテーションから設計、構築、運用・監視までをトータルに支援するソリューションを提供し、一方損保ジャパンはサイバーインシデント発生時の対応費用や賠償費用を補償するサイバー保険を提供してきた。
このたび、両社は、ITとファイナンスの両面からトータルでお客さまの事業活動を支援する新たなサービスを共同で開発し、製造業や社会インフラ、医療などのスマート化を強力に支援するとともに、Society5.0の実現に貢献していく。
■サービス開発に向けた取り組み
日立ソリューションズと損保ジャパンは、日立ソリューションズが提供するAI(人工知能)技術を活用した欧米で多数の実績のあるソリューションをベースに、工場やプラントなどの施設のIoTデータを収集・分析してセキュリティリスクを診断するPoCに協力できる企業を募集する。協力できる企業は、日立ソリューションズの専門技術者から提出されるリスク診断レポートによって、制御/IoTシステムにおけるセキュリティリスクを確認することができる。
今後、損保ジャパンは、PoCで収集したデータを基に、リスク診断のノウハウでリスク量(想定される損害の規模や発生頻度など)を解析し、保険料を柔軟にきめ細かく設定する保険サービスの開発をめざす。
日立ソリューションズは、各種セキュリティソリューションに損保ジャパンが開発する保険を付帯し、企業のIoT機器のセキュリティ対策をトータルに支援することをめざす。