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損保協会、高齢者向けの地域防災リーダー研修を開催

損保協会では、近年の日本列島における度重なる自然災害により、避難時や避難生活において高齢者が体調を崩したり、命を落としたりしているという状況を踏まえ、3月27日に「高齢者支援のための避難生活術」と題した地域防災リーダー育成研修会を開催した。
本研修の目的は、高齢者に防災の知識を伝えられる高齢者を増やすことであり、研修当日は、損保OB講師およびSAAアドバイザー(※)11名が参加した。
本研修は講義と演習の二部構成で実施し、第一部の講義では、自然災害時における避難所生活および在宅避難での課題や、高齢者と災害関連死の関係性などについて、解説があった。また、第二部の演習では、参加者が2グループに分かれ、避難所(学校)のフロアマップを用いた避難所運営のシミュレーションを体験し、提示された課題に対する解決策に向けての議論が活発に行われた。
参加者からは、「実際に避難生活の経験がなかったが、演習を通してその大変さがよく理解できた」「演習によって自分で考えることの大事さを改めて感じた」等の感想が多く寄せられた。
同協会としては、今後も本取組みをはじめとした防災リーダーの育成など、地域防災力の向上に努めていく。
(※)損保(S)・あんしん(A)あんぜん(A)アドバイザー:同協会が、一般消費者や高校生向けに、「地域における交通安全・防災・防犯等の安全意識啓発」など地域に密着した活動を実施するため、損害保険会社のOB・OGを講師として派遣する制度。
■研修の概要
テーマ:「高齢者支援のための避難生活術」
日時:3月27日(水)14:00~17:10
会場:損保会館4階 404会議室
参加者数:11名
内容
概要は以下のとおり
1.開会挨拶 … 宇田川 智弘(日本損害保険協会 業務企画部長)
2.講義(自然災害時、避難高齢者の特徴と課題)… 木村 拓郎氏(一般社団法人 減災・復興支援機構 理事長)
・阪神淡路大震災以降、5千人弱が災害関連死で亡くなっており、9割が高齢者で占められている。
・生活不活発病とは、避難生活時にあまり活動しないことにより、特に高齢者であらゆる身体機能の低下が見られることであるが、重大な病気として知られていない。
・避難所では殆どが高齢者であり、居住環境の整備・衛生対策・健康管理が非常に重要。
3.演習(高齢者避難所生活ワークショップ)… 宮下 加奈氏(一般社団法人 減災・復興支援機構 専務理事)
・2グループに分かれての机上演習
(学校施設使用方法、避難所での課題検討など)
4.講評… 木村 拓郎氏(一般社団法人 減災・復興支援機構 理事長)
・避難所開設時のポイントは、1.生活再建の気概を失わないよう、一人ひとりの自立を助ける姿勢、2.避難所の自主・自立運営、3.健康・衛生対策、4.避難所内での安全・安心の4点である。

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