少額短期保険協会・孤独死対策委員会が第3回孤独死現状レポート
日本少額短期保険協会・孤独死対策委員会はこのほど、第3回孤独死現状レポートを取りまとめ公表した。少額短期保険会社の家財保険(孤独死特約付き)に加入している被保険者を対象としたもので、孤独死の実態について業界内外に発信することで、孤独死の問題点やリスクを社会に広く知ってもらうことを主旨としている。対象期間は2015年4月~2018年2月までのデータ。ポイントは次のとおり。
・男女別孤独死人数と死亡時の平均年齢(n=2076)
孤独死人数は男性1703人、女性373人。孤独死の平均年齢は60.8歳を超え、昨年(男性60.4歳、女性59.7歳)と比較しわずかながら上昇した。男女の人数比率にはおよそ8:2。統計開始からこの割合は変わっていない。50代までの、現役世代の孤独死は男女ともに全体のおよそ4割を占める。
・死因別人数と男女別死因の構成割合(n=2066)
死因の構成については、病死が6割を超える。一方で、自殺の占率も高く、孤独死者の死因の12%を占める。厚労省統計による死亡者の全死因に対する自殺率は1.9%前後であり、孤独死者の自殺の割合は高い。
男女間での死因をみると、女性の自殺の割合が、今回のデータでは5.1%と年々乖離が少なくなってきている(一昨年は11ポイント差、昨年は8ポイント差)
・発見までの日数と男女比(n=1526)
全体でみると、14日以内に発見された人数は68.6%となり、過去2回のレポートより大幅に改善されている(昨年は14日以内の発見は全体の46%)。
また、平均発見日数は17日で、前回(42日)に比べ、短縮化された。近年孤独死に関する報道も増えたことにより、社会が孤独死に対して意識をしている結果として早期発見につながっている可能性もある。
3日以内に発見に至るケースでは、女性の方が11ポイント程高い。
また、30日以上経過してから発見される事例も、16.5%と決して少なくはない割合といえる。