三井住友フィナンシャルグループが貿易実務の高度化におけるブロックチェーン技術の適用可能性に関する実証実験を開始
三井住友フィナンシャルグループは、三井住友銀行、日本総合研究所、三井物産、商船三井、三井住友海上、日本アイ・ビー・エムと、貿易実務の高度化におけるブロックチェーン技術の適用可能性に関する実証実験を本年12月より開始することで合意した。
今回の実証実験では、実貿易取引に合わせて、各参加企業がブロックチェーン上のアプリケーションを用いて契約およびドキュメント情報の入力を実施する。
そこでは、取引契約、物流、貨物保険など多岐にわたるドキュメントが電子化されて記録され、参加企業間で共有される。この実験を通じて、貿易取引に要する時間の短縮、および各種ドキュメント間における齟齬の発生の軽減ができているか、事務コストの削減およびセキュリティ水準の高度化が達成されているか、従前の貿易事務と比較して確認する。また、将来の商用化を視野に、ブロックチェーン技術の実貿易取引に対する有効性を検証する。
SMFG、SMBCおよび日本総研は一体となって新しいIT技術の積極的な活用に取り組むことで、時代の変化に対応しながら、企業競争力の高い先進的な金融グループを目指すとともに、お客さまへのサービス向上に努めていく。今回の実証実験は、今年2月以降の取組を基盤に、新技術調査等を行うSMFGシリコンバレー・デジタルイノベーションラボを含めて企画を進めてきた。ブロックチェーン技術を契約関係の記録に応用することで今までに無い新しい金融商品およびサービスの付加価値の提供を目指す。
三井物産は、総合商社として、お客さまが必要とするものを安全・最適にお届けするトレーディング機能を世界中で提供しています。今回の実証実験を通じ、長年にわたるグローバルでのトレーディング事業で培った経験およびノウハウと最新のブロックチェーン技術を融合させ、貿易取引における生産性向上と新たな可能性を追求していく。
商船三井は、世界の海運をリードする総合輸送グループとして、多様化する輸送ニーズに対応し、世界最高水準の安全運航サービスを提供している。今回の実証実験において専門的な知見を提供するとともに、今後もICT技術を利活用したサービス向上を通じ、物流のビジネスパートナーとしてお客様に選ばれる企業グループを目指す。
三井住友海上は、保険事業を通じて安心と安全を提供しさまざまな社会的課題の解決に取り組んでいる。この貿易プラットフォームを通じて、ブロックチェーンおよびIoTといった先進技術を活用した新しいサービスを提供することを目指す。
IBMは、産業界が求める高度なセキュリティ要件を満たしながらさまざまなビジネス・アプリケーションの開発を実現するため、Linux Foundationが産業横断的なブロックチェーン技術の利用を推進するために取り組むオープンソースのプロジェクト「ハイパーレジャー」に参画している。同検証には、ブロックチェーンのフレームワークで、ハイパーレジャー・プロジェクトの一つのプロジェクトであるハイパーレジャー・ファブリックを利用する。