東京海上日動が遠隔映像配信システムを活用した海外での保険金支払い迅速化
東京海上日動は、海外での損害調査業務に、リアルタイムで高画質な映像を共有できる遠隔映像配信システムを 11 月より導入する。
遠隔映像配信システムの導入により、海外における大規模災害発生時に迅速な保険金の支払いを実現し、お客様の早期の事業復旧や事業継続に貢献する。
これまで、海外で台風や豪雨による冠水等の大規模災害が発生した際には、海外クレーム代理
店(主に同社が損害調査を委託している先)や現地法人が損害調査・査定を実施した後、支払報告書を郵送し、日本の本店でその内容を確認して保険金を支払うなど、複数の工程を経てお客様に保険金を支払っていた。
こうした状況の中、グローバル化の進展に伴い、企業の海外進出が活発化する中、海外での大規模災害発生時に保険金をより迅速に支払う仕組みを構築することは、保険会社として喫緊の課題となっていた。
同社は、海外での損害調査・査定業務に、リアルタイムで高画質な映像を共有することのできるモバイル中継器「Smart-telecaster Zao-S」を導入する。国内の損害保険会社における「Zao-S」の導入は当社が初となる。
「Zao-S」では、通信回線のコンディションに応じて通信速度を調整するソリトンシステムズ独自の技術により、海外の通信環境が悪いエリアでも安定性が高く、かつ高画質な映像をリアルタイムに転送することができる。
これを導入することで、現地の様子をリアルタイムに確認しながら、損害状況を把握でき、映像を見ながら国内で支払報告書を作成することができる。そのため、支払報告書を海外から国内へ送付する手間と時間を大幅に削減することができ、保険金の支払いまでの期間を短縮することができる。
また、リアルタイムに映像の共有ができることで、被害規模に応じた損害サービス支援体制の構築が可能となる。こうした結果、お客様が、事故発生時に諸費用等を立て替えた場合でも、迅速に保険金を支払うことができ、早期の事業復旧や事業継続に貢献することができる。
同社は今後、主に一般貨物が保管されている港等における大規模事故発生時の損害調査や事故削減コンサルティング支援に「Zao-S」を活用していく。また、国内の広域災害発生時についても「Zao-S」を活用できるか検討していく予定。