東京海上日動、「GX-ETS関連費用補償保険」の提供開始
東京海上日動は、2026年度より、改正GX推進法に基づく「排出量取引制度(以下「GX-ETS」)」*が本格運用されることを受け、対象事業者の施設において、火災・設備事故が発生し、排出削減目標の達成が困難となった場合に生じる排出枠やカーボンクレジットの追加購入費用等を補償する新たな保険商品「GX-ETS関連費用補償保険」の提供を開始する。
1.背景
日本政府は、2050年カーボンニュートラルの実現と経済成長の両立に向け、直近3か年度平均でCO2の直接排出量が10万トン以上の事業者に対し、GX-ETSへの参加を義務付けている。
GX-ETSにおいては、各事業者に排出枠が割り当てられるとともに、排出削減目標の策定・達成が求められている。対象事業者は、排出枠の過不足に応じて、対象事業者間で排出枠を取引できるほか、不足分については、カーボンクレジットを購入することも可能とされている。
こうした動きを背景に、再生可能エネルギーへの転換や生産プロセスの効率化など、企業の脱炭素に向けた取り組みが一層加速していくことが想定される。
一方で、対象事業者の施設において、火災や設備事故が発生し、操業停止や能力低下が生じた場合、当初の排出削減目標の達成が困難となり、排出枠やカーボンクレジットの追加購入、代替の低炭素燃料への切り替え等の対応が必要となる可能性がある。
これまで、火災保険や利益保険において、事故による物的損害や休業損失の補償を提供してきたが、こうした排出削減目標の達成に向けて必要となる追加費用を補償する商品はなかった。
このような中、同社は、GX-ETSへの対応をはじめとする企業の脱炭素経営を支援する新商品として、「GX-ETS関連費用補償保険」を開発した。
*排出量取引制度(GreenTransformationEmissionsTradingScheme)
政府が一定の基準の下、対象事業者に排出枠を割り当て、排出実績量と同量の排出枠を、法令に定める期限までに保有することを義務付けた制度。なお、排出枠は対象事業者間で取引することが可能とされている。
(経済産業省HP:https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ets.html)
2.GX-ETS関連費用補償保険の概要
本保険では、自社の施設において、火災、爆発等の不測かつ突発的な事故が発生し、一定期間にわたり設備の操業停止や能力低下が生じた結果、GX-ETSにおける排出削減計画に影響を及ぼす場合、その達成に向けて追加で必要となる以下の費用を補償する。
(1)主な補償項目・内容
・代替燃料調達費用:事故発生により、設備の操業停止または能力低下が生じた場合において、操業を継続するために新たに低炭素燃料を調達するために要する費用。
・排出枠やカーボンクレジットの追加購入費用:事故発生により、計画対比で増加した排出量を埋め合わせるために、追加の排出枠やカーボンクレジットを調達する費用。
・追加対策要否検討費用:事故発生に伴い、追加対策(代替燃料の調達や排出枠の購入等)の検討について専門家に助言を求める場合に必要となる費用。
・排出枠再計算費用:事故発生に伴い、当初の計画から変動した排出枠の再算出を外部企業に依頼する場合に必要となる費用。
なお、本保険は、同社やグループ会社である日本工営がこれまで提供してきたカーボンクレジット関連の保険商品やサービスを通じて培った知見も活かし、開発したものである。
(2)本保険の対象となる事業者
GX-ETSへの参加が義務付けられている、直近3か年度平均でCO2の直接排出量が10万トン以上の事業者
3.今後について
同社は、本保険の提供を通じて、カーボンニュートラルの実現・脱炭素社会への移行に一層貢献していく。
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