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東京海上日動、AIを活用した火災保険における不正請求の早期検知の取組みを開始

東京海上日動は、フランスのスタートアップ企業であるShift Technology(以下「シフトテクノロジー社」)と連携し、契約の内容や事故の申告状況、気象情報等の外部データに関する情報から、AIが保険金の不正な請求を早期に検知する仕組みを開発した。2022年8月より全国の事故対応拠点にて活用を開始する。
同社は、保険金支払(以下「損害サービス」)担当者が持つ専門的なノウハウを活かしつつ、AIが保険金支払業務をサポートすることで、火災保険における不正請求対応の高度化と保険金支払業務の品質向上を実現する。
1.背景
台風や豪雨など自然災害が多発するなか、保険金の不正請求への対策は、健全かつ安定的な損害保険制度の運営や保険事業の信頼維持、公平性確保等の観点から、損害保険業界全体の重要課題となっている。
特に水災や風災など自然災害に伴う損害を補償する火災保険において、保険金の不正な請求を勧誘する業者が増加しており、その手口は複雑化・巧妙化している。中には、お客様が保険金を受け取った後、業者から高額な手数料を請求されるなどのトラブルが発生しており、社会問題となっている。
同社は、不正請求に起因するトラブルからお客様を守するとともに、正しく保険金を請求しているお客様への迅速な保険金支払いを実現するためシフトテクノロジー社と協業し、同社が有する不正請求検知のソリューションに、同社がこれまで培ってきた不正請求への対応のノウハウを組み合わせた新たなAIを開発した。
2.取組みの概要
新たに導入するAIが膨大な保険金支払データを分析し、保険金の支払い手続きに際し詳細な事実確認を必要とする事案を早期に検知していく。
具体的には、契約の内容や事故の申告状況等に関する情報と、気象データなどのさまざまなデータを組み合わせ、事案ごとにスコアリングを実施することで、より慎重な対応が必要となる事案を迅速に把握する。
これにより、損害サービス担当者は、スコア(事案評価結果)やスコアを構成する要素の情報を参考にして、事案の具体的な対応に活かすことができる。これまでは、1件1件事案ごとに不正請求と相関関係があるかどうかを確認していたが、AIがスコアリングすることで事案の概要を迅速に把握できるため、事案ごとにメリハリの効いた対応が可能となる。
不正請求の可能性が高い事案に対してはより慎重に対応するとともに、正しく請求いただいた事案に対しては、これまで以上にお客様に寄り添った対応を行うなど、損害サービス品質のさらなる向上を実現していく。
3.今後について
同社は既に、自動車保険と傷害保険にも同様の仕組みを導入している。今後は、不正請求や要精査の可能性が低いと判断出来るAIの精度をさらに高め、迅速に保険金がお支払可能となるケースを特定する技術開発も進めていく。
同社はこれからも、デジタル技術と人の力を融合させ、高品質な損害サービスの提供に努めていく。

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