新日本保険新聞社・シンニチ保険WEB

東京海上ホールディングス、タイ、インドネシアの損害保険現地法人買収が合意

東京海上ホールディングスは、同社グループの東京海上日動火災保険を通じて、豪州Insurance Australia Group Limited社(以下「IAG社」)よりIAG社のタイ、インドネシアの損害保険現地法人を、5億2500万オーストラリアドル(428億円)で買収することでIAG社と合意した。なお、買収は両国における当局認可等が得られたものから順次完了となる。
1.本買収の背景
(1)東京海上グループは、海外保険事業の規模・収益の拡大をグループ全体の成長ドライバーと位置づけ、先進国および新興国の両市場において、内部成長力の強化と戦略的なM&Aの推進により、グローバルな成長機会と分散の効いた事業ポートフォリオの構築を追求している。
(2)こうした戦略の下、先進国においては、米HCC社など一連の買収により、事業規模を大きく拡大してきている。
(3)一方、同社海外保険事業の事業別利益に占める新興国拠点の割合はまだ1割弱であり、今後中長期的に高い成長が見込まれる新興国マーケットにおいてM&Aを実施し、事業の規模・収益を拡大して更なる地域分散を図ることを、今年度から始まった新中期経営計画「To Bea Good Company2020」の重点施策として掲げている。
2.本買収の概要

買収対象企業名:Safety Insurance Public Company Limited (セイフティ)
主な所在地:タイ・バンコク
設立年:1941年
資本金:13億円
グロス保険料(2017年度実績):311億円
税引後利益(2017年度実績):5億円
従業員数(2017年12月末):1,281名
IAGの株式保有割合:98.6%
特徴:
・業界第8位(マーケットシェア4%)
・自動車保険では業界4位(マーケットシェア6%)
・タイ全土をカバーする67の本支店、16のクレームサービス拠点と、代理店、ブローカー、ディーラー等多様で強固な販売網を有する
・自動車保険の高いブランド力・充実したクレームサービス体制と高い事業効率に強みを持つ

買収対象企業名:PT AsuransiParolamas(パロラマス)
主な所在地:インドネシア・ジャカルタ
設立年:1964年
資本金:15億円
グロス保険料(2017年度実績):2億円
税引後利益(2017年度実績):▲2億円
従業員数(2017年12月末):126名
IAGの株式保有割合:80%
特徴:デジタル技術を活用した 販売・サービスの高度化 と効率化を推進している
※(為替レートは2018年3月末レート:1タイバーツ=3.4円、1インドネシアルピア=0.0077円)
3.買収条件
セイフティ、パロラマス両社のIAG保有株式を現金で買収する。
4.買収資金
本買収のための資金は全額同社グループ内の手元資金を予定している。
5.本買収の戦略的意義
本買収により、同社は東南アジア最大の損害保険市場であるタイにおいて全種目合計第3位(マーケットシェア8%、外資系としては第1位)、自動車保険では第2位(マーケットシェア9%)の損害保険グループとなる。日系企業が数多く進出し、今後も中間所得層の拡大等により着実な成長が見込まれるタイ損害保険市場において、以下の取組みを通じ、同社グループの海外保険事業の規模・収益の拡大と、タイの保険市場の更なる発展に貢献していく。

関連記事(保険業界ニュース)

損保

東京海上ホールディングス、「東京海上グループAIガバナンスに関する基本方針」を制定

損保

東京海上ホールディングス、東京海上日動の業務改善計画の進捗および改善状況について(その5)を発表

損保

東京海上ホールディングス、自己株式の取得状況を公表

損保

損保ジャパン、日本旅行と宇宙ビジネスに関わる協業開始

生保

第一生命ホールディングス、英国M&G社との長期的な戦略的パートナーシップを締結

損保

東京海上ホールディングス、グリーン・トランスフォーメーションを一層推進する「Tokio Marine GX」を立ち上げ

損保

東京海上ホールディングス、動物病院向け新サービス「医薬品等共同購買サービス」の提供開始

損保

あいおいニッセイ同和損保、中古EVバッテリーの二次流通促進に向け、MIRAI-LABOと資本業務提携契約を締結

損保

東京海上ホールディングス、自己株式の取得状況および取得終了を公表

生保

日本生命、企業の健康経営・人的資本経営を支援する新たなサービスの提供開始