あいおいニッセイ同和損保、データの秘匿性を担保した国産AI開発に参画
あいおいニッセイ同和損保と、その子会社のOXFIDAは、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)が推進する委託事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/データの秘匿性を考慮した効率的なAI学習手法の開発(以下「本事業」)」に、一般社団法人AIデータ主権共創機構(以下「CODAS」)のパートナーとして参画する。
1.背景
これまでAIは、インターネット上に公開されている膨大なデータを学習することで急速に進化してきた。一方、AIを更に高度化していくためには、企業や組織が保有する業務データを安全に活用することが重要になる。ただし、業務データには個人情報や機密情報が含まれる場合があり、情報を守りながらAIに学習させる新たな技術の開発が求められている。
同社は、テクノロジーとサイエンス領域に強みを持つオックスフォード大学の教授陣や大学発スタートアップと連携し、従来の損保ビジネスの枠を超えた社会・地域課題の解決に向けた研究開発を行うため、2022年11月に英国オックスフォードにAioiR&DLab-Oxfordを設立した。以来、データの安全性に配慮したAI活用に関する研究開発を進め、知見を蓄積してきた。これらの取り組み等が英国経済への貢献の観点から評価され、同社は2026年6月の高市内閣総理大臣訪英に合わせ英国首相官邸で開催された日英ビジネスラウンドテーブルに、同官邸からの招待を受け参加した。
2026年10月1日には、社名を「AioiR&DLab-Oxford」から「OXFIDA」へ変更し、AI・テクノロジー企業として、ブランド構築を進めるとともに、オックスフォード大学などとの連携を通じて、独自の技術力や事業開発力を更に高めていく。
今般、同社とOXFIDAは、これまでに培った知見と技術力を生かし、データの秘匿性を担保しながら企業が重要なデータを安心してAIの学習・活用に用いることができる基礎作りへの貢献を期待され、本事業にCODASのパートナーとして選出された。
2.概要
(1)本事業全体の取り組み
本事業では、企業のデータやAIモデルの情報を安全に守りながら、AIを学習・利用できる仕組みを開発する。あわせて、産業固有の知識を学習させた国産LLM※の研究開発を進め、その実証と利用拡大を目指し、企業が保有するデータを学習データとして活用しながら、実際の業務でも使いやすく、安全性と実用性を両立したAIモデルの開発・検証を行う。将来的には、オープンソースベースのモデルとして公開することで、各企業が自社向けのモデル開発に活用できるほか、機密性を保ったまま、企業間で学習データを連携・共有できる環境の実現を目指す。
※大規模言語モデル(LargeLanguageModel)は、大量のテキストデータをもとに学習したAIで、文章の生成や要約、翻訳、質問への回答などを行うことができる。文脈を踏まえた自然な表現を出力できる点が特長である。
(2)本事業における同社ならびにOXFIDAの取り組み(担当領域)
「実利用に基づくAI学習・推論秘匿化技術の研究・開発とその評価手法、およびそれらの実装評価」を担当する。
①個人情報や機密情報を保護しつつ、AIの学習・活用に資する技術の研究・開発
②秘匿化された個人情報や機密データを用いた学習においても、一定のAIモデル性能を確保する手法の研究・開発
③AIモデル自体を秘匿化した状態で、モデルが自律的に性能を向上させる仕組みの研究・開発
④上記①~③の安全性および性能を実証的に評価するためのツールおよび評価手法の研究・開発
3.英国での取り組みおよび今後の展開
同社は、長年にわたり英国で保険事業を展開するとともに、英国での知見を取り入れたテレマティクス自動車保険の開発・展開をグローバルに進めるなど、取り組みを進化させてきた。OXFIDAでは、自動車修理工場や住宅修理業者における保険金不正請求の疑義を検知するAIの開発や、インフラ老朽化という社会課題の解決に向けた自治体向け橋梁点検サポートツールも展開している。また、地震や台風等の自然災害によるサプライチェーンへの影響を可視化するAIモデルの開発にも取り組んでいる。
これらの同社およびOXFIDAの活動が、AIなどの先進的な取り組みを通じた雇用創出や、オックスフォード大学および大学発スタートアップへの投資を通じた英国経済への貢献の観点から日英パートナーシップの好事例として評価され、同社は、2026年6月の高市内閣総理大臣訪英に合わせ英国首相官邸で開催された日英ビジネスラウンドテーブルに、英国首相官邸からの招待を受け参加した。
今後も同社およびOXFIDAは、英国と日本をつなぐ架け橋として、重要技術の実用化や社会的価値の創出に貢献していく。AIやモビリティ、データ活用などの先端分野において、保険と技術を結び付けた新たなサービスやソリューションの開発を推進し、社会課題の解決と経済成長の両立を目指す。
さらに、本事業を通じて得られた知見については、お客さまのデータを適切に保護しながら、より安全で高度なサービスの開発・提供に活用していくとともに、日本の経済安全保障等にも資する、「安全・安心に使えるAI技術」の確立に向け役立てる。
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