あいおいニッセイ同和損保、保育現場の業務負荷軽減を支援する生成AIツールを開発
あいおいニッセイ同和損保は、保育施設向けのシステム開発を行う株式会社サンロフト(以下「サンロフト」)と共同で、保育施設に特化した生成AIツール「みらいコンパス」を開発し、6月20日から全国の保育施設へ順次提供を開始する。
1. 背景
こども家庭庁の「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」によると、保育士の2025年1月における有効求人倍率は3.78倍と高止まりしており、保育現場の人財確保が喫緊の課題となっている。
また、保育現場におけるICT導入は限定的で手書きやアナログの業務が多く、保育士一人当たりの事務系業務は業務時間全体の33%を占めており※、テクノロジーの活用による業務効率化を進めることで、保育の質の確保・向上に取り組むことが求められている。
さらに、保育事業者を含め、様々な業界でAIやGPTといった先進技術を活用した業務効率化が進んでいるものの、同社が実施した保育士向けアンケートでは「操作方法が分からない」「業務にどう活用すればよいのか分からない」といった声が数多く寄せられていることから、今般、「利用者に寄り添うAI」をコンセプトに、保育現場に浸透し、使いやすさにこだわった業務効率化を支援する生成AIツールを開発した。
※ 出典:こども家庭庁「保育政策の新たな方向性」
2. 「みらいコンパス」について
(1)概要
「みらいコンパス」は、同社の保育事業者向けのリスクマネジメントノウハウと、サンロフトが保有する保育現場におけるIT活用に関するニーズと課題解決策をAIに学習させた保育特化型の生成AIである。
園だよりや保護者向け文書、業務報告書のドラフト作成など、保育現場で日常的に発生する事務業務のサポートに加え、保護者への対応や職場環境の改善、安全管理など幅広いサポートが可能である。
(2)主な特長
①ユーザーが迷わず 操作できる環境提供
・「操作方法が分からない」「どのように活用したらよいのか分からない」といった不安や課題解消のため、操作・活用方法のショート動画を搭載
・相談頻度が高い質問は冒頭に例示し、まず触れることを実現
②会話の中で選択・入力できる「お悩み サポートUI」
・選択個所とフリー入力個所を組み合わせることで、活用しやすいUIを実現
・AIとの対話形式のコミュニケーションから、自然にヒアリングを行うことで最適な提案・実態に即したアドバイスを実施
③“ユーザー専用” メニューの作成
・給食の献立や行事などについて、専用の入力フォームを生成AIが提示。案内に沿って内容を入力するだけで“ユーザー専用”メニューが完成
(例)献立入力フォームの場合:季節(○月)・取り入れたい食材・アレルギー食材等を入力・選択することで、専用の献立案を作成
3. 今後の展開
同社は、本ツールを保育事業者向けセミナーや、連携協定を締結している全国の自治体を通じて幅広く案内・提供していく。また、業務支援にとどまらず、保育現場の課題解決や働き方改革、保育の質向上、さらには地域が抱える保育施設の人材・運営課題の解決にも貢献することを目指す。
MS&ADグループは保育現場の課題解決に引き続き取り組む。