あいおいニッセイ同和損保、エネコートテクノロジーズと資本業務提携契約を締結
あいおいニッセイ同和損保は、ペロブスカイト太陽電池の研究・開発を進め、世界最高水準の変換効率を達成している株式会社エネコートテクノロジーズ※(以下「エネコートテクノロジーズ」)と資本業務提携契約を締結した。
※ペロブスカイト太陽電池と従来のシリコン製太陽電池を重ねた「4端子タンデム型」と呼ばれる太陽電池の開発をトヨタ自動車と共同で進めており、30.4%という世界最高クラスの変換効率を達成(2025年1月17日時点)
1.背景
カーボンニュートラルの実現に向けて、太陽光発電の導入が進められているが、従来の結晶シリコン型太陽電池は、平地が少ない国内において設置できる場所が限られていることや、雨季や冬季には十分な日照時間が確保できず、安定した発電量の確保が難しいといった課題がある。
これらの課題を解消する次世代太陽電池として、柔軟で薄く、軽いという特性を持ち、曇天や屋内といった低照度の環境下でも発電が可能なペロブスカイト太陽電池が注目されている。ペロブスカイト太陽電池は、これまで設置が難しかった耐荷性の低い屋根や建物の壁面、自動車、小型モビリティ、さらには屋内利用のIoT機器といった身近なモノにも搭載することが可能であり、太陽光発電の利用可能性を広げ、再生可能エネルギーの普及に大きく貢献することが期待されている。
一方、ペロブスカイト太陽電池の本格的な実用化に向けては、耐久性や安定した性能を維持すること等の課題があり、様々な事業者が研究・開発を進めている。
エネコートテクノロジーズは、京都大学との連携を強みとし、ペロブスカイト太陽電池の素材の研究・開発から製品化、販売まで一気通貫で行っている。不動産や通信会社、自動車メーカー等の様々な企業と耐久性や性能向上に向けた共同取組を実施しており、世界最高水準の変換効率を達成している。
今般、同社は、ペロブスカイト太陽電池の課題を解消し、普及を後押しする保険商品・サービスの開発に向けて、エネコートテクノロジーズと資本業務提携契約を締結した。
2.概要
(1)資本業務提携の概要
ペロブスカイト太陽電池は、建物やモビリティ、IoT機器等、様々な用途・環境下での活用が想定されていることから、自然災害によるモノの損壊や故障、発電性能の劣化等、活用方法によって多様なリスクが存在する。同社は、エネコートテクノロジーズの研究・開発の過程で集積されるデータを活用することで、ペロブスカイト太陽電池の用途に応じたリスクを分析し、最適な保険商品・サービスの開発・提供を行う。また、ペロブスカイト太陽電池を活用した、新たなビジネスモデルの構築を目指す。
①保証商品の組成
エネコートテクノロジーズが開発するペロブスカイト太陽電池のデータ等を分析することで、電池の故障や性能劣化を保証する専用保証を組成する
②専用保険・サービスの開発
耐久性や環境への影響など、ペロブスカイト太陽電池の固有リスクを分析することで、適切な料率を設定した保険商品や導入事業者向けのリスクアセスメントサービスなどを開発する
③新たなビジネスモデルの構築
ペロブスカイト太陽電池を搭載した電動キックボードやドローン等の小型モビリティの共同開発を進めることで、小型モビリティの航続距離伸長を実現する
(2)出資について
出資実行日・2025年2月20日
出資の概要・株式会社エネコートテクノロジーズが募集する出資ラウンドへの参加
3.今後の展開
ペロブスカイト太陽電池の活用が進むことによって、再生可能エネルギーの社会普及が大きく進展する。
同社はエネコートテクノロジーズやペロブスカイト太陽電池を活用した事業開発を進める事業者とともに、ペロブスカイト太陽電池の技術研究・開発段階から、活用用途に応じた専用保険商品・サービス開発を進めることで、ペロブスカイト太陽電池を安全・安心に活用できる環境を早期に構築し、カーボンニュートラルの実現に貢献していく。