損保ジャパン、西東京市での「歩行者先進安全支援」実現に向けた共同実証に参画
損保ジャパンは、西東京市との包括連携協定の取組みにおいて、ソニーグループ株式会社(以下「ソニー」)が2024年12月13日から西東京市の保谷小学校において行う、歩行者先進安全支援システム(Advanced Pedestrian-Assistance Systems、以下「APAS」)の実証実験に参画した。
1.背景・目的
交通事故による死者数は歩行中の事故が最も多く、2023年の死者数は973名※1にも上り、また子どもが被害者となる事故も数多く発生している。
同社は、お客さまの安心・安全・健康な暮らしを支える保険会社として、新小学一年生を対象とした「黄色いワッペン」贈呈事業にも参画するなど、小学生の通学時の交通事故防止に向けた取組みを行っている。
小学生の交通事故を無くす新たな取組みとして、「大切な人を守るために、交通事故のない安全な社会を実現したい」というパッションをもつソニーの APAS プロジェクトに参画し、西東京市の保谷小学校において共同実証を開始した。
※1 出展:警察庁交通局「令和5年における交通事故の発生状況について」
2.実証実験の概要
ソニーが開発した歩行者の事故に繋がりやすい行動を検出可能な、見守りGPS端末をベースにした試作デバイスを児童に2週間程度貸出、利用してもらい、保谷小学校近辺の交通事故リスクの高いエリアをAIも用いながら予測する。この高リスク・エリアの情報を元に、保谷小学校の小学三年生向けに「わたしたちの安全研究教室」と題し、交通安全に関する授業やグループワークを行うことで、児童たちの効果的な交通安全学習のサポートを試みる。
同社は、西東京市と締結している包括連携協定※2に基づき、安心・安全・健康に資する地域貢献活動の取組として、子どもの移動軌跡や歩行時の行動データの分析、活用を検討する。
※2 包括連携協定…安心・安全なまちづくりに関することや地域の人材 育成・確保に関することといった、幅広い分野での緊密な相互連携と協働による活動を推進し、地域活性化と市民サービスの向上を目指す取組み
3.今後の展開
APASプロジェクトでは、既に複数の自治体、小学校と協力し実証実験を行い、子どもの移動軌跡や歩行時の行動データから、交通事故リスクの高いエリアの分析および安全な街づくりへの活用の検討を進めている。同社は西東京市の実証を通じ、これらのデータの新たな分析や活用について協議、検討し、また各自治体との包括連携協定に基づき、共同での実証地域の拡大を目指す。
近年、市販車への実装が進むADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)や自動運転システムは、交通事故の防止に寄与することが期待される一方で、交通事故のない安全な社会の実現には、走行する自動車が停止するまでの空走距離と制動距離、自動車側からの死角、道路インフラ構造等の課題がある。同社は自動車の機能向上のみによる事故防止だけでなく、将来的には保険データの活用や、スマイリングロード※3をはじめとした各種テレマティクスサービスで取得する危険運転多発地点データ(急ブレーキや一時不停止など)の提供を検討しており、本プロジェクトを支えるとともに、APAS と交通インフラおよび自動運転車等が高度に連携した安心・安全な健康で笑顔あふれる未来社会の実現に向け取り組んでいく。
※3 スマイリングロード:スマイリングロードは通信機能付きドライブレコーダーを活用し、ドライバーの自発的・継続的な安全運転意識向上を促し、同時に管理者による効率的な指導を支援する事業者向け事故防止サービス。