JA共済連、令和6年度JA共済全国小・中学生交通安全ポスターコンクールテーマ分析結果レポートを公表
JA共済連が主催する「第53回JA共済全国小・中学生交通安全ポスターコンクール」において、全国8万260点の応募のうち、各都道府県から選出された優秀作品352点について審査を行った。JA共済連では、平成16年度から、これら全国コンクール審査作品に描かれたテーマを集計し、小・中学生が、今、どのような視点から交通安全を捉えているのかを分析している。本年度も、交通安全を考える上で示唆に富む結果がまとまった。
■『スマートフォンの使用マナー』を呼びかける作品が構成比18.2%でトップに
本年度の全国コンクール審査作品をテーマ別に分類すると、『スマートフォンの使用マナー』に関する作品が構成比18.2%(作品数64点)を占め、最も多い結果となった。同テーマは平成25年度から令和4年度まで9年連続で首位を維持。前年度は構成比14.6%(同50点)で2位だったが、今回、2年ぶりにトップとなった。
同テーマを扱った作品の構成比を学年別に見ると、小学校低学年が4.7%、小学校高学年が35.9%、中学生が59.4%で、学年が上がり、スマートフォンを持ち始める年齢になるにつれて、ポスターの題材として選んでいる様子が伺える。
これを訴求の対象者別に分類すると、小学生の作品は、「歩行者」と「ドライバー」が34.6%、「自転車」が23.1%である一方、中学生は「歩行者」が71.1%を占めており、“歩きスマホ”に対して特に注意を呼びかけていることがわかる。これらの作品の多くには、学生服や若者の姿が描かれており、同年代の仲間たちや自分自身への戒めの意味も込められているように感じる。
■第2位は、小学生を中心に交通安全ポスターの題材に選ばれた『自転車のヘルメット着用』
続いて、前年度トップの『自転車のヘルメット着用』を扱った作品が構成比14.8%(同52点)で第2位になった。学年別の構成比は、小学校低学年が40.4%、高学年が34.6%、中学生が25.0%で、自転車に乗りはじめて行動範囲が広がる小学生が交通安全ポスターのテーマに選んでいることがわかる。
ポスターを見ると、小学校低学年の作品には、「いのちをまもるヘルメット(小2)」などの標語とともに、デザイン性に富んだ“今どき”のヘルメットを着用した自身の似顔絵らしき姿が描かれた作品が多くあるが、学年が進むにつれて、昨年の改正道路交通法の施行による自転車ヘルメット着用の努力義務化を受け、「みんなのあいぼうヘルメット(小4)」、「通勤にも買い物にもヘルメットを!(中3)」など、全世代に向けたメッセージに内容が変化していることも見逃せない。
■小学校低学年の定番テーマ『手を上げて渡ろう』が第3位にランクイン
次いで、『手を上げて渡ろう』と呼びかける作品が構成比11.9%(同42点)で第3位にランクインした。この題材は以前から同コンクールにおける小学校低学年の定番テーマであり、本年度の学年別構成比を見ても小学校低学年が66.7%、高学年が19.0%、中学生が14.3%と、小学校低学年が過半数を占めている。
同テーマは道路横断に関する基本ルールを訴えるものであるが、子どもたちが描いたポスターを見ると、「いのちをまもるあいずだよ(小1)」、「手をあげてじぶんをアピールして(小2)」、「とまって!!くださいわたります(小3)」など、工夫を凝らした標語と構図で、歩行者はもとよりドライバーにも注意を促していることがわかる。
同コンクールは、交通事故による死者が急増した昭和47年よりスタート。以来、子どもたちの作品は、時代ごとに移り変わる交通安全の課題を端的に示してきた。JA共済は、引き続き、子どもたちの作品に込められた交通安全の願いを広く社会にお届けするとともに、各種の交通事故未然防止活動を通じて、事故のない安心・安全な地域社会づくりに貢献していく。