損保ジャパン、SOMPOリスク、小型衛星の通信喪失リスクに備えるソリューションの提供に向けてSOMPOとANT61社がビーコン紹介契約を締結
損保ジャパン、SOMPOリスクおよびANT61 PTY LTD(以下「ANT61社」)は、今後の宇宙産業の成長を担う小型衛星打ち上げおよび運用を安定的に推進するため、7月から協業を検討してきた。このほど、SOMPOリスクとANT61社は、11月、衛星事業者向けの衛星通信喪失リスクに備えて衛星の状態をモニタリングできるビーコンの日本における紹介契約を締結した。SOMPOリスクが、ANT61社のビーコンを国内衛星事業者に紹介し、軌道上での衛星運用リスクの低減をサポートする。
1.背景
小型衛星の打ち上げにおいて、衛星が宇宙空間に投入された初期段階で地上との通信を喪失する事例が頻繁に発生している。ひとたび地上と衛星との通信が途絶えてしまうと、故障原因が特定できず、後続機の開発において効果的な対策を施すための適切なフィードバックを得られないという課題を抱えている。
この課題に対する解決策のひとつとして、SOMPOとANT61社は、低軌道衛星専用の情報伝達デバイスとなるビーコンに着目し、実用化に向けた検討に取り組んできた。
2.ビーコン紹介契約の概要
SOMPOリスクは、低軌道衛星専用の情報伝達デバイスとなるANT61社のビーコンを、「宇宙ビジネス支援サービス」のメニューのひとつとして、日本の衛星事業者に紹介する。
また、SOMPOリスクとANT61社は、衛星事業者がより円滑にビーコンを導入できるよう技術的支援などにも取り組む。
衛星事業者は、ビーコンから得られた情報を通じて、故障発生前後の衛星の状態についてビーコンを搭載しない場合よりも正確に把握し、故障の生じた衛星を復旧させるための手立てをより適切に検討することや、打ち上げを控えている後続機に対してどのような改善を施すべきなのかについて検討することが可能になる。
なお、本紹介契約と関連し、損保ジャパンおよびSOMPOリスクは、ANT61社のパートナーとしてANT61社に対し、日本市場参入に関する助言を行う
小型人工衛星開発時の技術的な相談に対応するとともに、お客さまのプロジェクトを成功に導くという視点からリスクを抽出し、そのリスクの解決に向けた取り組みを総合的に支援する。
<主なコンサルティングメニュー>
・設計・製造等の専門知識を必要とする技術面での相談
・衛星開発プロジェクト等におけるリスクの現状分析・課題の抽出
・リスク対策の提案と実行支援
<コンサルティングの特長>
・衛星開発を長年経験してきたエンジニアが、衛星開発事業者の実情をふまえた的確な助言を提示する。
・プロジェクトメンバーの一員として加わり、開発伴走型でプロジェクト支援を行う。
・損保ジャパンが提供する宇宙保険等を通じたリスクファイナンス面からの支援を行うことが可能である。
3.今後について
SOMPOは、SOMPOの知見とANT61社のビーコンに関する技術を組み合わせ、日本の衛星事業者が地上との通信喪失リスクに備えられるソリューションの提供を通じて、日本の宇宙産業の発展に貢献する。
衛星運用の信頼性向上やリスクマネジメント、保険によるリスクファイナンスなど、側面から安心・安全を提供できるよう取り組む。