日新火災、「BALM社(旧ビッグモーター社)による保険金不正請求等」に関する対応について(その4)
日新火災これまで、お客さまの被害回復を最優先事項と位置付け、不正請求の調査や等級訂正等の対応を進めてきた。同社は、旧ビッグモーター社から不正請求事案対応を引き継いだ株式会社BALM(以下「BALM社」)および外部調査委員会との協議や提案内容等を踏まえ、お客さまの被害回復に向けた対応を進めていく。
1.不正請求の調査について
(1)調査状況
同社は旧ビッグモーター社の不正請求疑義が発覚して以降、BALM社や外部調査委員会による調査に先行して、見積書・損傷画像等をもとに不正の類型・手口を踏まえた自主調査を実施してきた。一方で、不正請求事案の特定や金額の確定には、修理工場が保持しているデータ等を用いた精査が必要なためBALM社との協議も続けてきた。
(2)今後の対応
同社は、BALM社との協議および同社から11月20日に公表された内容を網羅した自主調査を実施している。
○調査期間:2020年4月から2023年7月まで※1
対象件数:約2,250件
同社の調査状況:全件自主調査を完了。
今後の対応:BALM社が保持するデータを精査のうえ、不正請求事案の特定と金額を確定。
○調査期間:2018年1月から2020年3月まで※2
対象件数:約2,380件
同社の調査状況:自主調査を実施中。
今後の対応:全件調査を実施し、BALM社と協議のうえで不正請求事案の特定と金額を確定。
※1 2020年8月旧ビッグモーター社が設置したPricing Team(保険会社との協定を集中対応するチーム)により、不正請求が全国に拡がったと考えられるため、PT設立前後の請求内容を精査する観点から2020年4月以降の調査を先行して実施した。
※2 2017年以前についても、調査を実施しており、不正請求疑義が確認された場合、対応方針をBALM社と協議していく。
2.お客さまの被害回復に向けた対応について
(1) 等級訂正の対応状況
不正請求金額の確定には修理車両毎の精査が必要となり、全ての事案の確定までには相当な時間を要することが想定された。そのため、同社において暫定的な不正請求金額※3 に基づき算出された保険金(以下「暫定保険金」)と割増保険料の比較を行い、対象となるお客さまに等級訂正の意向を確認のうえで対応を進めてきた。
(2) 今後の対応
調査が完了した事案については、不正請求の有無・金額を確定の上、お客様に案内する。すでに残定的な等級訂正対応を行ったお客さまについては、不利益が生じないよう暫定的な不正請求金額との差額の返戻等の対応を進めていく。
今後調査を進める事案については、調査結果を踏まえ、対象となるお客さまに等級訂正の意向の確認等を進めていく。なお、等級に関係のないフリート契約(車両10台以上の自動車保険契約)についても、不正請求金額が確定次第、保険料の返戻有無等について案内する。
※3 暫定的な不正請求金額は、旧ビッグモーター社により公表された不正請求金額の平均値を根拠としている。
3.不正請求に対する取組みについて
同社では、お客さまの被害回復に向けた取組みに加えて、旧ビッグモーター社の事案を踏まえた「不正請求疑義の早期発見」や「牽制強化」の態勢整備を進めている。
(1)着工前写真取付(2024年1月から)
修理工場へ入庫する前の事故車両の写真をお客さまに撮影・送付してもらうことの案内を開始。
(2)損害調査態勢の強化(2023年12月から)
査定担当者(アジャスター)の業務マニュアルを改定し、適切な損害調査方法の選択、工場との綿密な修理打合せの実施、整合性確認に基く損害認定の徹底等を周知。
(3)不正請求対応態勢の強化(2024年7月から)
査定担当店が不正請求の疑義を把握時に速やかに本社主管部へ報告し、本社主管部は報告に基づき担当店の対応を支援する態勢を強化した。
(4)不正請求手法の共有による査定精度の向上(2023年11月から)
査定担当者(アジャスター)に対して旧ビッグモーター社の事案で明らかになった不正請求の類型等を参考に、査定時に留意すべきポイントを周知。