三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保、公正取引委員会による行政処分を受領
MS&ADホールディングスの子会社である三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保は、2023年12月19日に公表したとおり、特定のお客さまを保険契約者とする損害保険契約に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして公正取引委員会による立入検査を受け、以降、同委員会の調査に全面的に協力してきた。
10月31日、両社は、公正取引委員会より独占禁止法に基づく行政処分(排除措置命令および課徴金納付命令)を受けた。
1.排除措置命令の概要
(1)三井住友海上に対する排除措置命令
株式会社JERA、コスモ石油株式会社、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構、シャープ株式会社、京成電鉄株式会社、警視庁、東京都、仙台国際空港株式会社および東急株式会社をそれぞれ保険契約者とする各損害保険契約に関し、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)に違反する行為があったとして、当該違反行為を取りやめていることを確認し、今後同様の行為が行われないよう必要な措置を講じること等を命じられた。
(2)あいおいニッセイ同和損保に対する排除措置命令
株式会社JERA、コスモ石油株式会社、京成電鉄株式会社および東急株式会社をそれぞれ保険契約者とする各損害保険契約に関し、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)に違反する行為があったとして、当該違反行為を取りやめていることを確認し、今後同様の行為が行われないよう必要な措置を講じること等を命じられた。
2.課徴金納付命令の概要
両社が受けた課徴金納付命令の概要は次のとおりである。なお、両社は、公正取引委員会に対し課徴金減免制度の適用を申請した結果、課徴金の減額が認められている。
(1)三井住友海上に対する課徴金納付命令
株式会社JERA、コスモ石油株式会社、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構、シャープ株式会社および京成電鉄株式会社をそれぞれ保険契約者とする各損害保険契約に関し、合計8億8,514万円の課徴金を納付するよう命じられた。
(2)あいおいニッセイ同和損保に対する課徴金納付命令
株式会社JERA、コスモ石油株式会社および京成電鉄株式会社をそれぞれ保険契約者とする各損害保険契約に関し、合計5億640万円の課徴金を納付するよう命じられた。
3.両社の対応
両社は、2024年2月29日に公表したとおり、金融庁からの業務改善命令を受けて業務改善計画書を提出し、再発防止に取り組んでいる。今回の公正取引委員会からの行政処分(排除措置命令および課徴金納付命令)を厳粛に受け止め、引き続き信頼回復に努めていく。
4.業績への影響
本件に係る課徴金は、2025年3月期中間期において独占禁止法関連損失引当金として計上する見込みである。2024年5月20日公表の2025年3月期(通期)の連結業績予想について、本件による変更はない。