損保ジャパン、ジェンダーギャップ解消に向けた東京大学公共政策大学院と東北大学大学院経済学研究科および共同研究開始
損保ジャパンおよび、国立大学法人東京大学公共政策大学院(以下「東京大学公共政策大学院」)と国立大学法人東北大学大学院経済学研究科(以下「東北大学経済学研究科」)は、共同研究契約を締結し、“女性のキャリア形成における障壁を理解するための研究”を開始した。本研究では、損保ジャパンが保有する人事データをもとに、女性管理職割合が依然として低い原因など、日本においてジェンダーギャップを生み出す根本的な原因と、介入の効果等を分析・理解することで、日本企業におけるジェンダーギャップに関する課題解決に寄与することを目指す。
1.背景
日本では男女の管理職の割合に大きな差がみられる。厚生労働省の「令和5年度雇用均等基本調査」によると、女性が課長相当職以上の管理職に占める割合は12.7%と、諸外国では女性管理職の割合が30%程度を占める国も多いなか、国際的に見ても低い水準となっている。世界経済フォーラムが公表するジェンダーギャップ指数においても、2022年:116位、2023年:125位、2024年:118位と世界的に大きく後れを取っている。こうしたジェンダーギャップの解消は、女性の潜在能力を最大限に引き出すことで、多様性を広げ、生産性の向上につながることが期待される。
損保ジャパンは2003年に日本の金融機関で初となる女性活躍推進部署を設置するなど、20年以上にわたり、ジェンダーギャップ解消に積極的に取り組んできた。その結果、「評価業務を受任したチームリーダーの女性比率(2023年度までの損保ジャパンにおける管理職の定義)」は12.3%(2016/4/1時点)から29.3%(2024/4/1時点)と17%増加している。しかしながら、役職別女性比率でみると課長層以上での登用は道半ばの状況にあり、部門によっても差異が生じている状況である。
2.共同研究の概要
本共同研究は、東京大学公共政策大学院重岡仁教授と東北大学経済学研究科矢ケ崎将之講師および損保ジャパンが共同で、先進諸国の中でも特に労働市場におけるジェンダーギャップが大きい日本の職場環境における、男女間格差を生み出す原因と、それに対する介入の効果について、ジェンダーギャップの解消に向けて一定の効果をあげている損保ジャパンのデータを用いることで、分析・検証する。
(1)主な研究テーマ
・女性管理職登用における障壁
・男性育休取得の阻害要因 等
(2)期間
2024年9月から2027年度末まで(予定)
3.今後について
本研究で得られた分析結果を基に真因を探ることで、日本企業におけるジェンダーギャップに関する根本的な課題解決に向けた一助となることを目指すとともに、損保ジャパンにおいては、本研究成果を活用し、カルチャー変革に向けた行動の加速を目指していく。