あいおいニッセイ同和損保、AIを活用した地盤と建物の地震危険度指標化プログラムを開発
あいおいニッセイ同和損保は、国立大学法人広島大学(以下「広島大学」)および、一般社団法人レトロフィットジャパンとの共同研究により、地盤と建物の地震危険度(地盤リスク・共振リスク)を簡便に指標化する技術を開発した。この技術を応用し、地盤や建物の地震危険度の簡易評価サービスの展開を2025年度中に開始する。
1.背景
近年、毎年のように大規模な地震による災害が発生し、甚大な被害が発生している。地震による被害を軽減するためには、リスクに応じた備えが必要となる。地震における建物の揺れの大きさは、地盤の揺れやすさと、建物固有の揺れやすい周期(固有周期)が影響する。地盤の揺れやすさに関しては、軟弱な地盤が厚く堆積する地域では地盤の揺れが非常に大きくなることがある。また、建物の固有周期が地盤の固有周期と一致する場合、地震時に共振と呼ばれる現象が発生し、建物の揺れが増大することがある。これらのリスクを評価するうえで、建物がどのような地盤の上に建築されているのか、建物が地震時に共振しやすいかどうか、を把握することが重要となる。しかし、地盤の状態は、周囲の地形等からある程度把握できるが、詳細な調査には膨大な予算、人手、時間を要するため、詳細に把握することは困難った。また、建物の共振しやすさを表す指標なかった。
そこで同社は、広島大学およびレトロフィットジャパンとともに、微動と呼ばれる微小な振動を計測し、AI技術に基づく地盤の揺れやすさの推定や、建物の共振しやすさを評価する技術を開発した。
2.研究概要
本研究では、地盤と建物の微動データから簡便に地盤の揺れやすさおよび建物の共振のしやすさを表す指標を開発した。また、本研究成果を「地震危険度評価装置、地震危険度評価方法及びプログラム」として特許庁に出願(出願番号:特願2024-072242)している。
3.今後の展開
同社は、本研究成果を活用することで、企業向けの地震保険引き受け時の新たな割引制度の導入等を検討していく。