SOMPOホールディングス、損保ジャパン、業務改善計画の進捗状況(開示事項の経過・2024年5月末時点)および保険料調整行為に関する社外調査委員会による調査報告書を受領
SOMPOホールディングスおよび損保ジャパンは6月14日、本年1月25日付の自動車保険金不正請求等への対応に係る業務改善命令、損保ジャパンは昨年12月26日付の保険料調整行為等への対応に係る業務改善命令(以下「行政処分」)に基づき、金融庁に業務改善計画の進捗状況等を提出した。
なお、再発防止に向けた取組みについて、社員アンケート・実効性検証・第2線によるモニタリング、第3線による内部監査、監査等委員会監査などを通じて、浸透・定着状況を確認する。取組状況に遅延・不足等が見られる場合は、速やかにその要因を把握し、追加対策を打ち、一日でも早く業務改善計画の浸透・定着が図れるようにPDCAサイクルを回していく。
2.保険料調整行為に関する社外調査委員会による調査報告書の受領
損保ジャパンでは、保険料調整行為に関する対応について、2023年6月に社外弁護士を含む社外調査委員会(幕田英雄委員長を含む3名。2023年12月に客観性・透明性を高めるために組織改変。以下「社外調査委員会」)を設置し、同委員会による調査を進めてきたが、この度、2024年6月11日に社外調査委員会から「調査報告書」を受領した。
本調査は、保険料調整行為における事実関係の解明とその原因を究明するだけでなく、それらに関連するガバナンス、組織風土上の問題および損害保険業界の制度・慣行上の問題に関する検証ならびに再発防止策の検討・提言を受けることを目的として、利害関係のない社外弁護士により構成される社外調査委員会に調査を委嘱して実施したものである。
調査報告書では、損保ジャパンの営業部門において、多くの社員が抵抗感なく不適切な行為に及んでいたこと、広範な範囲で相当な期間に亘って継続されてきたことが明らかにされたほか、損保業界の事業環境を踏まえた損保ジャパンのコンプライアンス・プログラムやビジネスモデルに問題があることが指摘された。
また、根本的な問題として、行政処分で指摘された営業偏重、コンプライアンス・お客さま保護軽視の企業文化、上司の決定に異議を唱えない上意下達の企業文化、3線管理態勢の機能不全などに加えて、本報告書では、ガバナンスプロセスの透明性および信頼性の観点から厳しい評価を受けるとともに、構造的な問題を生じ定着させた歴代の経営陣の責任は極めて重いと指摘された。
SOMPOホールディングスおよび損保ジャパンは、今回の調査報告書で指摘された全ての事項を真摯に受け止めて、改めて総点検を実施し、今後の業務改善に活かすことで、お客さまや社会からの信頼回復を目指していく。
また、継続中の公正取引委員会の調査についても、引き続き全面的に協力していく。
3.経営陣の決意
(1)損保ジャパン代表取締役社長 石川耕治氏
このような不適切な事案により、お客さまをはじめ関係者の皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしている。
保険の自由化、自然災害の増加といった大きな環境変化があった中で、経営陣が現状維持バイアスのまま、これまでのビジネスモデルや誤った価値基準を変えられず、現場に無理を強いてしまった結果、様々な歪みを生じさせてしまったものとして、深く反省している。
二度と同じことを繰り返さないためには、業務改善計画の着実な遂行はもちろんのこと、このような問題を引き起こした根底にある、これまでのビジネスモデルの変革が不可欠であると認識している。
今回、社外調査委員会から指摘された損保ジャパンの「官僚主義的な体質」や「自己防衛的な姿勢」、経営陣によるメール破棄に代表されるガバナンスプロセスの透明性や信頼性の問題は、最優先で改善すべき経営課題として、極めて重く受け止めている。
今年度から開始した損保ジャパンの新中期経営計画では、「お客さまに、社会に、まっすぐ。」というスローガンのもと、一連の問題の原因となった企業風土・文化の変革を目指して、経営陣による全国の社員との対話※を開始している。
社外調査委員会から結語として示された「今回が最後の機会(チャンス)である」というメッセージを厳粛に受け止め、不適切な事案を発生させてしまった真因に踏み込み、覚悟をもって過去の誤った価値基準と決別し、自身の強いリーダーシップのもと、再生に向けて、企業風土・文化のみならず、これまでのビジネスモデル自体の抜本的な変革を行っていく。
(2)SOMPOホールディングスグループCEO取締役代表執行役社長 奥村幹夫氏
このたびの一連の不適切な事案により、私たちが最も大切にすべきお客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまからの信頼を損なったことを、グループ代表として重く受け止め、深く反省している。
今年度から開始した新中期経営計画では、国内損保事業において業務改善の着実な実行を通じた「信頼の回復」を最優先事項に位置づけ、130年を超える歴史の中で染み付いた誤った常識や前例踏襲から脱却し、新しいビジネスモデルと企業文化を作り上げていく。
同社としても損保ジャパンの変革に伴走し全力でサポートしていくとともに、グループ全体で「新しい会社を作り上げる」という強い意志を持ち、「法令等遵守」、「お客さま本位の業務運営」および「社会からの視点」に立脚して、覚悟を持って信頼回復に取り組んでいく。
<業務改善計画の進捗状況および調査報告書>
・業務改善計画の進捗状況(SOMPOホールディングス)
https://www.sompo-hd.com/-/media/hd/files/notice/20240614_1.pdf
・業務改善計画の進捗状況(損保ジャパン)
https://www.sompo-japan.co.jp/-/media/SJNK/files/announce/20240614_1.pdf
・保険料調整行為に関する社外調査委員会による調査報告書
https://www.sompo-japan.co.jp/-/media/SJNK/files/announce/20240614_2.pdf