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損保ジャパン、SOMPOリスク、GHG排出量を衛星画像で解析するMomentick社と実証実験を開始

損保ジャパン、SOMPOリスク、およびMomentick Ltd.(以下「Momentick社」)は、GHG※1排出量を衛星画像で解析する技術の活用について実証実験を開始した。本実証実験では、GHGのうち、メタンの検知技術の検証を行う。
※1 温室効果ガス(Greenhouse Gas)の略称である。主な温室効果ガスには、二酸化炭素(CO2)やメタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、フロンガスがある。
1.背景
近年の地球温暖化による生態系の変化や異常気象はますます深刻化しており、世界全体で気候変動対策を進めることが喫緊の課題となっている。
2023年に開催されたCOP28(第28回気候変動枠組条約締約国会議)では、パリ協定の目標達成に向けた世界全体の進捗を評価するグローバル・ストックテイクについて初めての決定が採択され、全ガス・全セクターを対象にした排出削減が明記されるなど、全てのGHGを削減しようとする国際的な取り組みが加速している。GHGのうち、メタンは温室効果が二酸化炭素の25倍と強力であることから、特に排出規制が重要視されている。環境規制で先行するEUは、昨年11月に、化石燃料の事業者に対するメタン排出のMRV(計測・報告・検証)の義務づけや、EU域内に入る化石燃料に対して同等のメタン排出規制を求める案で政治合意した。同時期に、米国環境保護庁(EPA)は石油・ガス産業によるメタン排出を大幅削減することを目的とした最終規則を発表した。
同規則には、設備や精製プロセスからのメタン漏れやガス抜きなどの汚染削減基準および最先端のメタン検知技術の利用促進が含まれる。このように、メタンを含むGHGの排出削減に関する国際的な規制や企業に対策を促す動きが急激に進んでいる。
損保ジャパンおよびSOMPOリスクは、企業の新たなリスクに対応するサービスや保険を開発するため、衛星から得た情報を基にメタン検知する技術を持つ、イスラエルのスタートアップ企業であるMomentick社と実証実験を開始した。
2.本実証実験の概要
本実証実験では、Momentick社はハイパースぺクトル分析※2とアルゴリズムを活用した独自のソフトウェアによって衛星画像から特定の資産周辺におけるメタン排出の量と場所の解析を行い、損保ジャパンおよびSOMPOリスクにその結果と知見を提供する。損保ジャパンとSOMPOリスクは共同で技術検証を行い、リスクコンサルティングサービスや保険商品開発での活用可能性を調査する。
なお、技術検証にあたっては、二酸化炭素とメタンの濃度を宇宙から観測することを専門とした世界初の人工衛星である温室効果ガス観測技術衛星(Greenhouse gases Observing SATellite:GOSAT)シリーズ※3によって取得したデータも活用する。データ活用は、環境省気候変動観測研究戦略室および国立環境研究所地球システム領域衛星観測センターの協力の下に実施する。
また、本実証実験の技術検証にあたっては、管理・保有施設の試験的な検査を希望する協力可能な企業を以下の要領で募集する。
募集期間:2024年6月6日~2024年6月30日
参加費用:無料
対象企業:メタンを発生する可能性がある施設を国内外で管理・保有する企業
(希望企業の中から複数社に協力を依頼予定)
問合せ先:損保ジャパン営業店
本実証実験により、保険商品としては、メタンを多く含む天然ガスの漏洩に対しての補償、メタンが排出検知された施設の調査・修復費用の補償、有機廃棄物の埋立て場跡地に滞留するメタンの検知と連動する補償などを幅広く検討していく。
また、Momentick社と連携した排出検知サービスを、SOMPOリスクを通じて希望する企業へ提供することを検討している。さらに、本実証実験の結果を踏まえ、二酸化炭素の排出について衛星画像による解析を行う実証実験にも移行していく予定である。
※2 光を非常に細かく分光することで、従来は客観的な評価が難しいとされた物体の物性特性や状態を判定する解析技術である。
※3 温室効果ガス観測技術衛星ミッションは、宇宙基本計画に則り、環境省、国立環境研究所(NIES)および宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で実施している。
3.各社の役割
損保ジャパン
・保険商品の組成検討
SOMPOリスクマネジメント
・リスクコンサルティングサービスの検討
・実証データの検証
Momentick社
・任意の地点のメタン漏洩の分析
・排出レポート・データ・知見の提供
4.本実証実験の位置づけ
本実証実験は、損保ジャパンおよびSOMPOリスクの「SOMPO-ZELO」シリーズの第3弾の開発に向けた取組みである。
5.今後について
損保ジャパンおよびSOMPOリスクは、今後も企業活動を継続するうえで対応が必要な温室効果ガスの削減をリスクマネジメントの観点から促進することで持続可能な社会の実現を目指し、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の取組みに貢献する。また、今後も損保ジャパンはブランドスローガン「InnovationforWellbeing」に則した独自色のある 商品を開発し、お客さまの課題および社会課題の解決を通じて、よりよい社会を実現していく。

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