損保協会、不正請求対策の点検・総括およびレベルアップについて
損保協会は、「保険金不正請求対応」に関する各種取り組みを進めることとしていた(9月19日付でニュースリリース)。11月30日、このうち、「これまでの不正請求対策の点検・総括およびレベルアップ」に関する現時点の取組み状況を以下のとおり報告した。
1.同協会における不正請求対策事業の概要(※)と検証結果
①情報交換制度
概要:不正請求対策を目的とした保険会社間の情報交換や、保険金不正請求に関する一般消費者からの通報を情報交換する保険金不正請求ホットラインの運営
検証結果:制度自体は有効に機能しているものの、現在当協会で運用している不正請求を検知するシステムの検知精度を上げるなどの改善の余地がある。
②知見共有
概要:不正請求防止を目的とした損害保険会社社員向けセミナーの開催
検証結果:損害保険会社社員から不正請求対策に有効であるとの評価を多数受けており、有効に機能している。
③啓発活動
現在は実施事業無し
※現在は、悪質業者の消費者トラブルに関する注意喚起活動を重点的に行っている。
検証結果:2020年11月以降、新規の啓発活動を実施しておらず、継続した啓発活動を行う観点で改善の必要がある。
④警察との連携強化
損害保険を悪用した犯罪の排除に必要な情報交換、警察への捜査協力等
概要:警察との連携の維持・強化を図れており、有効に機能している。
検証結果:実効性を一層高められるよう、対話を継続する。
2.今後の対応
上記1のとおり同協会による不正請求対策事業の検証結果として、改善の余地・必要がある事業と判断した「情報交換制度」「啓発活動」について、2024年3月までに改善施策を取りまとめる。