新日本保険新聞社・シンニチ保険WEB

三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保、MS&ADインターリスク総研、「事故発生リスクAIアセスメント」全国版の販売を開始

三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保およびMS&ADインターリスク総研は、全国の自治体および事業者向けに「事故発生リスクAIアセスメント(リスク評価)」全国版の販売を開始した。
本サービスは、交通事故発生箇所だけでなく、未発生箇所のリスクが可視化でき、事故の未然防止に役立つ。
MS&ADインシュアランスグループは、リスクソリューションのプラットフォーマーとして、あらゆる社会課題の解決に貢献し、社会と共に成長していくことを目指していく。
1.開発の背景
交通事故による死者数は近年減少傾向にありますが、依然として痛ましい死亡事故などが一定数発生している。従来の交通安全対策の課題は、交通調査に多大な費用や時間を要する、実施する対策の客観的な裏づけが難しいなどの要因から、再発防止型の対策となってしまうことだった。そこで、三井住友海上およびMS&ADインターリスク総研は、事故対応や交通リスクコンサルティングの豊富な経験・ノウハウを踏まえ、AIを活用して交通事故発生リスクを評価・可視化する仕組みを構築し、一部の地域で実証実験を行ってきた。
実証実験の結果、「事故発生リスクAIアセスメント(リスク評価)」が一般利用にも資すると判断したため、本サービスの全国版を販売するに至った。
2.「事故発生リスクAIアセスメント(リスク評価)」の概要
(1)サービス概要
実際の交通事故発生箇所だけでなく、道路構造や走行データ(急加減速等)、人流等、事故と相関関係の高い要因のデータを組み合わせ、AIを活用した独自のリスク評価・分析モデルにより、世界で初めて交通事故発生リスクの評価・可視化を商用化したサービスです(MS&ADインターリスク総研調べ)(特許出願中)。
このサービスを活用することで利用者はブラウザで地図上から交通事故発生リスクを確認することができる。従来は同種の研究や地域限定の実証のみの活用にとどまっていたが、全国版の販売により、全国の自治体や事業者で廉価に活用することができる。
(2)本サービスの特長
①損保グループならではのデータ、ノウハウに、事故発生起因性の高いデータを加えた、独自のリスク評価・分析モデル
②地点(道路区間・交差点)ごとにきめ細かくリスクを数値化
③数値化した地点ごとのリスク値を地図上でわかりやすく可視化
④時間帯・被害者対象年齢等の条件による絞り込み表示機能
⑤指定エリア内でのリスク降順表示や地図上でのメモ保管等、実務を円滑にする補助機能
(3)事業者向けプランン
●アプリケーション形式(本格版)
成果物:該当地域における事故発生リスク全量(道路区間・交差点)の地図形式・リスト形式での提供
契約形式:年間利用契約形式
販売価格:事業者規模によって変動します例:保有車両台数100台規模の運送事業者で約110万円(税抜)
●カスタマイズ形式
成果物:幅広い事業者のサービスとの協業に活用できるようなデータ形式での提供、3DViewer形式での提供、マップ形式での提供等
契約形式:契約内容によって異なる
販売価格:契約内容によって異なる
(4)事業者向け活用イメージ
さまざまな事業者の交通安全対策に活用できる。
≪業種ごとの活用例≫
業種:本サービスの活用イメージ
貨物・配送事業者:配送ルートの最適化、交通事故防止の取組
Maas事業者:降地点の検討、自動運転ルートの検討
医療介護事業者:送迎時の交通事故防止
道路コンサルティング事業者:コンサルティングにおける協業
(5)自治体向けプラン
●アプリケーション形式(本格版)
成果物:該当地域における事故発生リスク全量(道路区間・交差点)の地図形式・リスト形式での提供
契約方式:年間利用契約形式
販売価格:1市町村あたり、人口・道路実延長に応じて30万円~200万円/年(税抜)
●カスタマイズ形式
成果物:幅広い自治体のサービスとの協業に活用できるようなデータ形式での提供、3DViewer形式での提供、マップ形式での提供等
契約方式:契約内容によって異なる
販売価格:契約内容によって異なる
(6)自治体向け採用実績
本サービス提供前に一部自治体で実証実験を行い、愛媛県のデジタル田園都市国家構想推進交付金事業である「都市リスクの解析等業務」、奈良県の大和平野中央田園都市構想推進のための事業として「大和平野中央田園都市構想安全・安心まちづくりコンソーシアム」が行う「潜在的事故リスクのAIアセスメントとリスク低減対策の検討」において、本サービスのモデル導入が決定している。
同2自治体を含め、7自治体で本サービスを採用した。
3.今後の展望
本サービスは国内外のあらゆる自治体・事業者へ提供していく。また、アライアンス先との協業によるサービス拡充で、交通事故の発生を未然に防ぎ、交通事故削減を目指す。
MS&ADインシュアランスグループは、あらゆる社会課題を解決するための各種サービス・ソリューションを提供している。今後、グループ各社が提供するサービス・ソリューションを組み合わせ、グループ全体の強みを活かした統合サービスの開発・提供等を検討していく。

関連記事(保険業界ニュース)

生保

大同生命、「加島屋」の創業から400年を記念し各種企画を展開

損保

アニコム損保、健康割増引制度の適用不備にもとづく保険料返還について

損保協会・団体

損保協会、損害保険会社に係る個人情報保護指針に基づく対象事業者4社に対する指導を実施

損保

三井住友海上、住宅に関する商品・サービス革新に向けたプロジェクト始動

生保

ソニー生命、経済産業省令和5年度補正「ライフステージを支えるサービス導入実証等事業」に係る取組結果を公表

生保

エヌエヌ生命、「オランダスタディツアー2025」の参加者を募集開始

損保

SBI損保、【ダイレクト型損保初】MS&ADインターリスク総研と降雹予測モデルの構築および精度検証を目的としたPoC(概念実証)を実施

損保

三井住友海上、三井住友海上文化財団による2025年度「コンサート開催地」および「助成先」決定

生保協会・団体

生保文化センター、「医療保障ガイド」改訂

損保

三井住友海上、テーマパーク専用リスクコンサルティングサービスを開発