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東京海上日動、画像活用型救急自動通報「第2種D-CallNet」の試験運用を千葉県から開始

東京海上日動、認定NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)、株式会社プレミア・エイドの3者は、交通事故におけるドクターヘリの迅速な出動の拡大を図るため、通信型ドライブレコーダーによる事故自動通報サービスを発展させ、世界初(※HEM-Net調べ)となる画像活用型救急自動通報「第2種D-CallNet」を研究開発してきた。今般、千葉県内の消防指令台とドクターヘリ基地病院に対し、交通事故発生後速やかにD-CallNet情報を通報する準備が整ったので、2023年4月から第2種D-CallNetの試験運用を開始する。
1.D-CallNetについて
HEM-Netは、交通事故負傷者の救命・後遺症軽減のため、交通事故発生時にドクターヘリの迅速な出動に向けて救急通報をすることができる新車車載型救急自動通報「第1種D-CallNet」(※1)を自動車メーカー等と協力して開発してきた。第1種D-CallNetは、2018年から本運用が開始された。
第2種D-CallNetは、通信型ドライブレコーダーから自動送信されたデータと事故画像からコールセンターのオペレーターが死亡または重傷の可能性が高いと判断した場合に、消防機関とドクターヘリ基地病院に対し、通話内容と車両位置情報、送信可能な場合は事故画像など、負傷者発生の通報を迅速に行う。これにより、消防機関とドクターヘリ基地病院におけるドクターヘリ出動の判断を容易にして、ドクターヘリの迅速な出動を支援する仕組みである。
第2種D-CallNetは、第1種の新車車載器に代えて、損害保険会社が運用している自動車保険の付帯サービスである通信型ドライブレコーダーによる事故自動通報サービス(2023年3月現在推定約250万台)を土台にD-CallNet通報機能を付加して構成する。第1種が新車車載器を利用するのに対し、第2種では後付けのドライブレコーダーを利用するので、新車はもとより、これまで搭載が遅れていた軽自動車を始め、既販車にも搭載できる。また、ドライブレコーダー画像により、事故時の傷害が大きくなりがちな相手の歩行者、自転車などや相手の自動車についても通報対象にできるなど、ドクターヘリ出動の対象拡大に大きく寄与することが期待される。
(※1)「第1種D-CallNet」は、コネクティッドカーに搭載されたEDR(イベントデータレコーダー)と呼ばれる装置から送られるデータを用いて、事故が起きた際にコールセンターへ自動で発報する先進事故自動通報システム(AACN)を利用し、必要な場合は、ドクターヘリ出動要請に関する通報を行うシステムである。
2.取組みの概要
これまで、HEM-Net・東京海上日動・プレミア・エイドの3者で先行研究開発を行ってきたが、2022年10月にHEM-NetのD-CallNet研究会の傘下に第2種D-CallNetワーキンググループを設置し、損害保険各社のコールセンター運営会社、ドクターヘリ基地病院、関係省庁等の参加を得て、幅広い検討を開始した。
具体的には、ドクターヘリの出動が必要な重大事故と判断されうるキーワード(※2)を検討・策定し、コールセンターのオペレーターがドライブレコーダーの事故映像からキーワードに該当すると判断した場合には、これまでの事故自動通報サービスにおける消防機関への電話での通報に加えて、該当するキーワードを事故画像と共に消防機関とドクターヘリの基地病院に同時通報する機能を構築した。これにより、より的確に救急車が出動できるだけでなく、重大事故におけるドクターヘリの迅速な出動が期待される。
先行研究開発を行ってきたHEM-Net・東京海上日動・プレミア・エイドの3者は、これまでの研究成果を踏まえて、東京海上日動のドライブレコーダー付き自動車保険(ドライブエージェントパーソナルと法人ドライブエージェント)を通じて、2023年4月から千葉県内の消防機関とドクターヘリ基地病院に通報する第2種D-CallNetの試験運用を開始する。試験運用では、画像を通報する場合と通報しない場合を試験的に設定し、効果評価も実施する。
(※2)「多重衝突」、「大型トラック」、「乗員の意識喪失」、「健康起因の不安全運転」等のキーワード
3.今後について
今後、試験運用の対象地区を千葉県以外にも追加し、また、ドクターカー運用病院にも拡大して効果評価を行ったうえで、さらに必要な改善を行い、本運用を目指す。

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