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あいおいニッセイ同和損保、自動運転システムの開発を手掛けるOxboticaとの資本業務提携

あいおいニッセイ同和損保は、オックスフォード大学発スタートアップ企業で自動運転システムの開発を手掛けるOxbotica Limited(以下、Oxbotica)と12月に資本業務提携をした。
1.背景
自動車関連業界は100年に一度とも言われる大変革の時代を迎えており、様々な技術の進化と導入が急速に進められている。中でも自動運転技術は、交通事故の削減のみならず、高齢化・過疎化の進む地域における移動課題や人口減少による運行担い手不足といった社会課題解決が期待され、世界各国で特定条件下において無人自動運転が可能になる「レベル4」の実用化に向け、研究・開発が進められている。
同社では、自動運転社会の到来を見据えて2016年より群馬大学と共同研究を開始し、レベル3以上の自動運転モードで走行中の運転分保険料を無料化する保険の開発や、国内外の自動運転関連企業と共に実証実験に参画するなど、様々なパートナーと自動運転技術に関する研究・協業を進めてきた。
Oxboticaは世界の様々な産業における自動運転プラットフォーマーになること(ユニバーサルオートノミー)を目指し、あらゆるモビリティに対応可能な自動運転システムを開発している。2022年5月には欧州の公道で初となる無人自動運転の実証実験を実施する等、非常に高い技術水準を有している。
同社とOxboticaは2022年5月にMOUを締結し、上記の無人運転実証実験に対し同社の100%子会社であるAioi Nissay Dowa Europe Limited(以下、ANDEL)が無人自動運転車向け専用保険の提供を行う等の協業を進めてきたが、今般、資本業務提携による更なる協業体制の強化に合意した。
2.概要
(1)Oxboticaについて
あらゆるモビリティ・場所に対応し、エコで安全かつ持続的に走行可能とする自動運転を目指し、自動運転システム開発をメインに取り組む企業である。
企業名:Oxbotica Limited
代表者:創業者・CTO Paul Newman(オックスフォード大学教授)・CEO Gavin Jackson
本社所在地:英国オックスフォード
設立年:2014年9月30日
事業内容:自動運転ソフトウエアの開発・ライセンス販売(B2B)
(2)Oxboticaの提供するシステムの特長・詳細について
①OxboticaDriver
あらゆる分野(鉱山、工場、飛行場、道路等)・地域(欧州、北米、豪州等)・天候(雨、霧、雪等)で使用されるあらゆるタイプの車両(シャトルバス、デリバリー車両、マイニングトラック等)に搭載可能なソフトウエアである。GPSや高精度3次元地図データに依存することなく自動運転を可能にする。
②Oxbotica Cloud
車両の位置検索や車両状態のリアルタイム把握等、車両管理を可能にするクラウドベースの管理システムである。同システム単独での使用も、他のシステムとの接続も可能である。様々な地域や分野において活用し、本システムに運転経験を学習させることで、更なる機能向上に繋げていく。
③Oxbotica Meta Driver
最先端のAIを活用した3Dシミュレーションソフトである。実際の走行場面の時間帯・天候等を合成映像で変更することで、様々な走行場面を再現できる。実車のテストでは再現が難しかった走行ケースも含め、大量の仮想シミュレーションを行うことで、自動運転の安全で効率的な実装を促進する。また、現実世界で時間のかかる運転学習を効率化する。
3.今後の展開
同社は、Oxboticaのグローバル戦略に合わせ、該社独自の自動運転システムを活用しながら、完全自動運転の特徴を踏まえた保険のあり方を検討していく。検討にあたっては、2015年に同社がANDELを通じて買収した英国テレマティクス自動車保険大手の InsureTheBoxや世界各地で培ったテレマティクスのノウハウも活用し、高度なデータサイエンスを駆使した無人自動運転車向けの商品・サービス開発を、Oxboticaに出資する他の戦略的株主との論議の場も設けながら進めていく。
また、最先端のAIを有する同社の研究開発拠点(AioiR&DLab-Oxford11月15日設立)と連携し本取組の加速と深化を図り、「CSV×DX(シーエスブイバイディーエックス)」に基づく商品・サービス開発を進め、自動運転車の普及促進と安全・安心なモビリティ社会の実現にグローバルに貢献していく。

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