損保ジャパン、Parametrixの技術を活用したオンライン事業者に向けた保険商品の提供を開始
損保ジャパンは、イスラエルのスタートアップ企業であるParametrix Ltd.(以下「パラメトリックス社」)の最先端のデジタル技術のシステムダウンリスクを補償する複数保険商品の引受業務への活用を開始する。
1.背景・目的
損保ジャパンは、2020年8月からパラメトリックス社が有するクラウドサービスのシステムダウン時のリスク検知に関する技術を活用し、デジタルプラットフォーマーに向けた商品のマーケティングを行っていた。当初は主にEC事業者に向けて、クラウドシステムダウン時に発生する損害を補償する商品についてニーズを検証していたが、1月からEC事業者に限らず、オンラインで事業を行う事業者に向けてパラメトリックス社と連携した商品提供を行っていくこととした。
新型コロナウイルス感染症の流行を背景に、SaaS市場、ネット証券などの金融機関、オンラインコンテンツ・サービス提供事業者、イベント開催・支援事業者など、インターネット上でのサービス・事業は世界的に急拡大した。損保ジャパンは、これらの事業を行うにあたり存在するシステムダウンのリスクに備える保険を提供することで、安心・安全な事業環境の構築を支援する。
2.パラメトリックス社と連携した商品
パラメトリックス社のシステムダウンリスクの定量化・検知技術を、様々なオンラインサービスの提供事業者のシステム障害リスクに対応する商品に活用する。具体的には以下のような補償の設計に活用することを想定している。
(1)オンラインサービスSLA拡充補償
サービス提供事業者がサービス利用者と結ぶSLA※に基づいた補償金の支払いによる損害を補償する。保険により補償資力をバックアップすることで、より積極的な利用者保護を実現し、お客さま満足度の向上や他社サービスとの差別化を図ることが可能となる。
※ Service Level Agreementの略で、サービスの提供事業者とその利用者の間で結ばれる、サービスのレベル(定義、範囲、内容、達成目標等)に関する合意サービス水準、サービス品質保証のことをいう。
(2)オンラインビジネス利益補償
営業が停止した時間(システムダウン時間)に応じた喪失利益を補償する。直近の売上高から損害の大きさは推定されるため実際の損害により忠実な補償が可能となる。
(3)オンラインイベント中止補償
被保険者のサービスを利用して企画・実施されるオンラインイベントが中止・変更を余儀なくされた場合に発生するお詫び費用や再開催費用等を補償する。イベントごとに補償が可能なため個別性の高い補償が可能となる。