新日本保険新聞社・シンニチ保険WEB

東京海上日動、「電力卸売価格変保険」の販売開始

東京海上日動は、小売電気事業者が電力卸売市場から調達した電力価格が、猛暑または厳冬等の厳気象に起因して高騰したことによって被る損害について補償する「電力卸売価格変動保険」の販売を開始する。
世界的な脱炭素に向けた動きが加速し、幅広い産業や地域における電力需要家の再生可能エネルギー由来の電力に対するニーズが高まっている。こうした環境下、小売電気事業者は、再生可能エネルギー由来の電力調達比率を高める一方で、悪天候等により再生可能エネルギー由来の電力調達量が低下した場合には、電力卸売市場(JEPX)から代替電力を調達する必要が生じるが、その際に、市場取引による価格変動リスクを負うこととなる。電力卸売市場の価格変動が小売電気事業者の経営に与えるインパクトは大きく、厳気象等により想定外の価格高騰が発生した際の小売電気事業者の破綻、事業撤退等が社会課題となっている。
このような中、東京海上日動は、小売電気事業者の事業安定化を支援し、再生可能エネルギーの普及を促進することにより、脱炭素社会への移行に貢献していくことを目指し、本商品を開発した。
◆電力卸売価格変動保険の概要
(1)補償内容
以下の事由が発生したことにより、小売電気事業者が電力卸売市場から電力を調達するために追加で支出した費用を補償する。具体的な補償内容は、オーダーメイドで設計する。
①天候が、予め設定した厳気象条件(猛暑または厳冬等)に該当したこと。
②小売電気事業者が電力卸売市場から調達した電力の価格が通常想定される範囲を超えて高騰し、予め設定した水準を超えたこと。
(2)本保険の特徴
従来は、電力卸売価格の変動リスクを補償する保険商品を提供することは困難であったが、同社では、以下の取組みにより本保険を開発した。
①外部データの解析(Powered by 「dRIVEN」)
本保険は、データ・テクノロジーの活用を通じて新たな価値を提供し、様々なリスクからお客様・地域社会を守る保険商品である「dRIVEN」シリーズとして展開するものである。
同社は、東京海上グループのデータ中核機能を担う「東京海上ディーアール株式会社」と連携し、電力卸売価格および天候等のデータ解析を行い、本保険の商品開発に活用していく。
②再保険の活用
Energy Risk Asia Awards 2021を受賞するなど電力価格の変動リスクおよび天候リスクの引受けに強みを持つMunich Reinsurance CompanyグループのNew Reinsurance Company
(NewRe)と連携し、同社は、本保険の引受枠組構築に取り組んできた。天候により影響を受ける電力価格の変動リスクについては国内にリスクが集積するため保険引受け上の難しさがあるが、NewRe社との連携により、日本の電力卸売価格の変動リスクを国際分散させることが可能となり、より小売電気事業者のニーズに応えられるような補償を持続的に提供することが可能となった。

関連記事(保険業界ニュース)

生保

ソニー生命、「無解約返戻金型収入保障保険(無配当)」等を発売

生保

マニュライフ生命、『未来につなげる終身保険v2』を新たに東邦銀行で販売開始

損保協会・団体

損保協会、損害保険会社に係る個人情報保護指針に基づく対象事業者4社に対する指導を実施

生保少短

第一生命、第一スマート、JR東日本、Suicaの体験価値向上に向けた共創の取組みを開始

生保

太陽生命、重度ガン前払特約の取扱いを開始

生保

太陽生命、益田信用組合を通じ、『長生きMy介護』の販売を開始

損保

三井ダイレクト損保、ANAの保険「明日へのつばさ」自動車保険提供開始

損保

損保ジャパン、マイルが貯まるANAの保険「明日へのつばさ」親介護保険の提供を開始

損保

三井住友海上、太陽光発電事業者向けケーブル盗難防止サービスを提供開始

損保

損保ジャパン、不登校児童生徒の復学支援および学びの機会確保に向けた「復学支援見舞金補償保険」を販売開始