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東京海上ホールディングス、自動車事故の予兆通知サービスの提供に向けたグローバルベースでの実証実験

東京海上ホールディングス、東京海上日動および東京海上ディーアール株式会社(以下「東京海上ディーアール」)は、運転性向のデータから自動車事故の予兆を検知し、お客様に通知等を行うことで事故リスクを軽減するサービスの提供を目指し、海外グループ会社のあるハワイで実証実験を開始する。
自動車保険のお客様に貸与しているドライブレコーダーから得られたビッグデータと機械学習等のデータ分析手法を活用し、新たなサービスを開発・提供することで、安心・安全なカーライフの実現を支援していく。
1.背景
東京海上日動は、2017年4月に業界で初めて個人のお客様向けに、通信機能付きドライブレコーダーを活用したサービス「ドライブエージェントパーソナル(DAP)」の提供を開始した。2021年4月からは、業界で初めて前方カメラと車内カメラが付いた「通信機能付き2カメラ一体型ドライブレコーダー」をご提供し、多くのお客様が利用している。
2021年7月には、東京海上グループのデータ分析やソリューション開発の中核を担う会社「東京海上ディーアール」も始動し、多様なデータと高度なデータ解析を行い開発する「データドリブン商品」や、最先端のIoTデバイスを活用しリスクの可視化・早期検知を行う「リスクソリューション」の開発を進めている。
東京海上HDでは、ドライブレコーダーから得られた様々なデータを活用し、サービスを更に高度化すべく、シリコンバレーのデジタルラボを中心に検討を進めていたが、この構想を実現すべく、複数社での共同の実証実験を開始することとした。
2.実証実験の概要
(1)概要
東京海上HD傘下でハワイのグループ会社であるFirstInsuranceCompanyofHawaii(以下「FICOH」)、東京海上日動、株式会社デンソーの子会社であるDENSOINTERNATIONALAMERICA,INC.の3社は、シリコンバレーで開発した「事故予兆アルゴリズム(*)」のベータ版(試作品)を用いた効果的なサービスの提供方法について、市場調査を目的とした共同の実証実験を行う。
具体的には、コンパクトシティ(居住地や都市機能が小さく集積)であり、1ドライブで変化の富んだ運転データが取得可能なハワイ州・オアフ島にて、FICOHの社員およびハワイ大学の学生を対象に、開発した事故予兆アルゴリズムの精度の検証や、どの程度の頻度で運転者に予兆検知結果を通知するのが最も効果的か等を実験により確認する。
(*)事故予兆アルゴリズム
自動車保険の契約者に貸与しているドライブレコーダーから収集した4400万時間分のデータ(GPS・加速度・前方映像等)を活用し、普段と比べて、著しく差がある運転を事故の予兆として検知するアルゴリズム。東京海上日動と東京海上ディーアールがシリコンバレーのデジタルラボと共同で構築したものである。現在特許出願中である。
(2)実施期間
2021年12月までの約2か月間を予定
(3)場所
アメリカ合衆国ハワイ州(オアフ島)
(4)対象
FICOHの社員およびハワイ大学の学生モニター
3.今後について
実証実験により得られた市場調査の結果を踏まえ、市場ニーズに合わせたサービスを開発し、22年度中に法人契約者向けのドライブレコーダー特約(法人ドライブエージェント)からサービス提供を目指していく。
具体的には、通信型ドライブレコーダーから定期的に送られるデータをもとにアルゴリズムで事故の予兆を検知した場合、法人の運行管理者に通知し、ドライバーの休憩を促すなどの対策にお役立ていただくサービスを検討している。
今後も多様なパートナーとの連携やデジタル開発体制の強化等をベースに、グローバルにノウハウを横展開する取組みを加速していく。またお客様の「いざ」を支えるために、より高度な事故対応サービスや事故削減サービスの提供等を通じて、お客様の安心・安全なカーライフの実現に貢献していく。

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