損保ジャパン、WBCSDの「ビジョン2050」日本語翻訳版をトヨタ自動車、富士通と共同作成
損保ジャパンは、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)、トヨタ自動車、富士通と共同で持続可能な発展のための世界経済人会議(World Business Council for Sustainable Development 以下、WBCSD)による「Vision 2050 :Time to Transform」(ビジョン2050)の日本語翻訳版を作成し、10月26日に発行した。
WBCSDは、持続可能な社会への移行促進を目指して、世界の主要企業200社のCEOが主導し活動している組織である。1995年に設立され、持続可能な発展の分野で産業界を代表する組織として、大きな影響力を発揮してきた。2019 年には世界経済フォーラムと気候変動、生物多様性、食糧システムなど世界の緊急課題に共同でアクションを起こす覚書も締結している。
損保ジャパンはWBCSD設立当初から日本の金融機関として唯一参画し、WBCSDが緊急課題としている「Redefining value(価値の再定義)」※や「ビジョン2050」をはじめ、これまで数多くのプロジェクトの活動に参画してきた。「グレート・リセット」と言われる社会の転換点にあって、資本主義そのもののあり方が問われている中、脱炭素社会等の大きなターゲットである2050年を目指した今回の提言書を起点に、企業の役割を問い続ける政策議論への貢献を継続していく。
※自然・人的資本を拡充し、これまでの資本主義を見直すためのルールメイキングなどを検討するプロジェクト
「ビジョン2050」は、「2050年までに90億人以上がプラネタリー・バウンダリー(地球の限界) の範囲内で真に豊かに生きられる」世界の実現に向けて、2010年に初版が作成された提言書である。今回発表されたのは、気候変動・生態系劣化・貧困と格差という、3つの地球規模課題の解決に必要なトランスフォーメーション(大変革)を推進するために企業がとるべき行動を示するため、2 年間にわたり世界中で各界リーダーとの対話を重ねて全面的に刷新した集大成版である。2030年のSDGs達成のための長期ビジョン共有の必要性や、企業の真の役割とは何かを考えさせる提言書となっている。
損保ジャパンは、2021年度からの中期経営計画において「Innovation for Wellbeing」(すべての人々・地域・社会にたくさんの笑顔と活力ある確かな明日を届けする)をビジョンとし、「SDGsの取り組み」をその実現に向けた経営基盤に掲げている。今後も「ビジョン2050」を幅広いステークホルダーとの対話や協働を促進し、社会価値・経済価値双方の創出をする戦略ツールとして、自社内で有効活用するとともに、WBCSD に加盟する唯一の国内金融機関として、その価値を国内外に広く発信していく。