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損保ジャパン、自動運転車の導入を支援するソリューションの共同開発を開始

損保ジャパンと、先進モビリティ株式会社(以下「先進モビリティ」)および三菱オートリース株式会社(以下「三菱オートリース」)の三社は、国内における自動運転技術の進展・普及を後押しするために、「自動運転車の導入を支援するソリューション」を共同開発し発売を開始した。
このたび、株式会社ビコー(以下「ビコー」)は、先進モビリティが開発する自動運転バスについて、国内で初めて本ソリューションを採用し、埼玉県で自動運転バスの運行実証実験(以下、「本実証実験」)を行った。
1.背景
自動運転技術の実用化により、過疎地における移動手段の確保やドライバー人材不足の解消、交通事故の削減などさまざまな社会的課題の解決が期待されることから、産官学で早期実用化に向けた研究が進められている。
一方で、自動運転車両の開発には、万が一不具合による事故が発生した場合に車両開発事業者など様々な事業者が製造物責任を負うリスクがあることや、車両本体の価格が高額で導入が困難なことなどの課題がある。
2.各社の役割
各社の役割は下表のとおりである。
【社名・役割】
■先進モビリティ・自動運転車両の開発、自動走行運用支援
■損保ジャパン・自動車保険の特約「自動運転車両開発事業者等被保険者追加特約」の開発・提供
■三菱オートリース・自動運転車用リースの開発・提供ビコー本ソリューションを活用した、自動運転バスの新しいサービスの開発・提供
3.本実証実験の概要
本実証実験は、埼玉県によるスマートモビリティ実証事業の一つである。
越生自動車学校で、ビコーが先進モビリティの開発した車両を使用して、自動運転バスの社会実装に向けた計画策定と実証試験を行った。
従来、自動運転実証実験というものは短期的に各地で行われてきたが、ビコーは本事業を基に、地域に根差したビジネスモデルの構築と長期運用、社会実装を目指して準備を進めている。
4.自動運転車の導入を支援するソリューションの概要
(1)自動運転車両、運用支援の概要
先進モビリティは、車両用自動運転システムの研究開発・事業化による社会貢献を目指す東大発のベンチャー企業である。近年のドライバー不足に起因する課題が深刻化する中、同社は日本各地で実証実験を行い、自動運転レベル4以上を見据えた走行性・安全性を評価してきた。
一方で同社のシステムが事業者やその先のお客さまにとって価値のあるものでなければ意味はない。本ソリューションは、事業者にとって安心して自動運転車の運行に専念できる、その先の新たなサービスの創出に繋がるスキームであり、同社はこうした環境整備を通して事業者をサポートしていく。
(2)自動運転車両開発事業者等被保険者追加特約の概要【保険業界初(※)】
損保ジャパンには、数多くの自動運転の実証実験に参画するなかで「事故が発生した場合、自動運転の技術を提供する事業者間で過失割合を協議することは、協力関係を阻害し、自動運転車の発展を停滞させる恐れがある」という事業者からの声が寄せられていた。
その課題を解決するために、自動車保険の新特約として「自動運転車両開発事業者等被保険者追加特約」を開発した。本特約では、従来の自動車保険における対人・対物賠償の被保険者に含まれていない、「被保険自動車に自動運転の技術を提供する車両開発事業者」などを被保険者に追加する。これにより、車両開発事業者間の過失割合の協議を不要とし、自動運転実施事業者が抱える課題の解消を図る。
なお、万が一事故が発生した場合には、各事業者と協力して調査を行い、事故原因究明および再発防止に取り組む。
※損保ジャパン調べ
(3)自動運転車用リースの概要
自動車産業を取り巻く環境の急激な変化の中で、三菱オートリースはファイナンスとしてのリースにとどまらず、お客さまにとって最適な車両管理・運用プランを提供している。
本件においては、通常のメンテナンスリースの仕組みをベースとし、自動運転システムの保守料や専用の自動車保険を含む自動運転車用のサービスを提供している。
事業者様にとっては実証実験車両の保有を前提とせず、管理業務の大幅削減、可変費用の平準化・一本化を実現するスキームで、拡大する実証実験事業を支援していく。
5.今後について
先進モビリティ、損保ジャパン、三菱オートリース、ビコーは今後、本ソリューションを展開することにより、国内における自動運転技術の社会実装に貢献していく。

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