三井住友海上、AIを活用した新たな代理店システム「MS1 Brain」を開発
三井住友海上は、フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)の実践を強化するとともに、お客さま体験価値の向上につながる提案や商品・サービスを提供するため、新たな代理店システム「MS1 Brain」を開発し、2020年2月より導入する。
「MS1 Brain」は、お客さまに関するあらゆる情報を収集・分析・活用する機能を有しており、お客さまと代理店および同社をビッグデータとAIで結ぶことで、お客さまニーズを的確に把握し、最適な商品・サービスの提供を実現する。
1.開発の背景・目指す姿
・同社は中期経営計画「Vision 2021」における重点課題の一つとして「デジタライゼーション推進」を掲げており、お客さまのデジタルリテラシーの高まりに対応し、先進デジタル技術を活用したお客さま体験価値の向上に取り組んでいく。
・この取り組みの一環として、代理店ビジネスの基盤となるAIを活用した新たな代理店システム「MS1 Brain」を開発した。代理店が、AIによるビッグデータ分析にもとづき、お客さまに、より高品質な提案や商品・サービスをわかりやすく届けるためのサポート機能を提供する。
・これにより、代理店(人)とAIが協調したフィデューシャリー・デューティーの実践を実現し、お客さま体験価値の向上を目指す。
2.「MS1 Brain」の主な特長
(1)お客さまニーズ予測分析
お客さまの契約内容や契約履歴、事故情報のほか、家族構成の変化や企業の事業ポートフォリオの変化など、AIによるビッグデータ分析から、お客さまのニーズやリスクの変化を察知して、補償内容の見直しや新たな保険商品等を最適なタイミングで提案する。
(2)代理店(募集人)NBA(ネクストベストアクション)
お客さまへの提案活動における最適なアクション(NBA)をAIが提示して、募集人をナビゲートする。経験豊富な募集人の活動を分析し、最適な行動・話法・ツールとして示唆するとともに、提案状況を可視化して適切なタイミングをアドバイスする。
(3)パーソナライズド動画
お客さまへ満期を案内する際、AIが導き出した最適な保険プランを分かりやすく理解してもらうため、一人ひとりに応じたパーソナライズド動画を作成する。お客さまは、いつでもどこでもスマートフォンから動画を視聴できるほか、提案理由の説明も動画で行うため、スムーズな理解につながる。まず、個人向け自動車保険から提供を開始し、順次対象を拡大していく予定。
(4)代理店経営者サポート
AIが代理店の保有マーケットや販売実績を分析して経営計画の策定を助言するほか、代理店の活動指標や募集人の日々の活動状況を一覧で管理するなど、代理店経営者サポート機能を提供する。これにより代理店の活動品質やガバナンスを強化し、高品質なお客さまサービスを実現する。
3.「MS1 Brain」を実現する最新テクノロジー
(1)データ分析の自動化AI
dotData,Inc.(本社:アメリカ カリフォルニア州、CEO:藤巻遼平)が提供する、データ分析プロセスの自動化AIエンジン「dotData(ドットデータ)」を採用。dotDataの特長は、従来、高度な専門知識を持つデータサイエンティストが行ってきたデータ準備から機械学習、そして分析結果の説明までを自動化することである。これにより通常は数ヵ月を要する分析プロセスを数日に短縮するとともに、多種多様な分析結果の理由を明確に説明することが可能となる。
(2)動画ソリューション
世界最先端のパーソナライズド動画ソリューションとしてSundaySky,Inc.(本社:アメリカ ニューヨーク市、CEO:JimDicso)が提供する動画制作・配信ツール「Smart Video(スマートビデオ)」を採用する。Smart Videoの特長は、お客さま一人ひとりに最適化された動画を瞬時に制作・配信できる機能であり、これによりパーソナライズされた商品を動画で分かりやすく説明できるとともに、スマートフォンやタブレットから、いつでもどこでも商品説明を視聴することができる。