三井住友海上、伊那市におけるAIを活用した乗合タクシー実証運行に参画
三井住友海上は、2019年11月に長野県伊那市で実施予定の、「AI最適運行・自動配車サービス(ドアツードア乗合タクシー)」の実証運行(以下「本実証運行」)に参画する。同社は、ドライブレコーダー型テレマティクス端末の提供等を通じて、本実証運行における安全運転や運行記録等をサポートする。また、本実証運行への参画等を通じて得られた走行データ等を活用して、AIを活用した乗合タクシー等のリスク分析等を行い、より安心・安全な運行につながる商品・サービスの開発を目指す。
1.本取組の背景
高齢化や過疎化が進む中山間地域では、地域の生活の足となる公共交通の維持が課題となっている。また、近年、官民において、移動課題解決や地域活性化を目指し、IoTやAI等を活用した新たなモビリティサービスの社会実装を目指す取組が活発化している。
伊那市は、地域公共交通の課題解決に向けて、AIを活用してタクシーをオンデマンドで効率的に配車する乗合タクシー運行サービスの導入を検討するなど、高齢者等の移動支援を行う新しい交通システムの構築を目指している。
同社は、これまで伊那市と「地方創生に関する包括連携協定」を締結し、伊那市新産業技術推進協議会に参画するなど、伊那市と連携して地方創生に取り組んできた。また、同社は、MaaS等のモビリティを取り巻く環境変化への対応を強化している。
こうした中、同社は、伊那市における新たなモビリティサービスの実現に貢献するべく、本実証運行に参画することとした。
2.本実証運行の概要
本実証運行では、所定の運行エリアにおいて、オンデマンドでドアツードアの乗合タクシーが運行され、対象の地域住民の方々に、通院や買物等の生活の足として利用してもらう。なお、タクシーの配車には、AIを活用した配車システム「SAVS※1」が使用される。
※1:「SAVS(Smart Access Vehicle Service)」
株式会社未来シェアが提供する、オンデマンドで乗合車両の配車やルートの決定を行うサービス。利用客からの配車要求に対して、AIが乗降希望位置や車両の運行状況をもとにリアルタイムで最適な配車、走行ルートを完全自動で決定し、IoTデバイスを通じてドライバーに知らせる。
3.同社の取組
同社は、本実証運行で使用される車両向けに、同社オリジナルのドライブレコーダー型テレマティクス端末を提供することなどを通じて、本実証運行を、安全運転支援や運行状況記録等の観点からサポートする。また、本実証運行への参画等を通じて取得した走行データ等を活用して、AIを活用した配車サービスや乗合タクシー、相乗りタクシー※2等における走行の特徴や特有のリスクの有無を分析し、より安心・安全な運行につながる商品・サービスの開発を目指していく。
※2:タクシーの相乗りは、限られた交通機関で多くの人が低廉に移動可能となること、タクシー事業者の生産性向上につながることが期待されている。政府の2019年の成長戦略においても、タクシーの相乗りの一般的な導入が検討されている。