東京海上日動、FFRIとサイバー・セキュリティ効率化に向けた共同研究契約を締結
東京海上日動と株式会社FFRI(以下FFRI)はこの度、企業にとって技術的・経済的に負担が大きいと言われているサイバー・セキュリティの導入・運用に関して、より効率的で低コストなサイバー・セキュリティを開発するために、共同研究契約を締結した。
1.共同研究の背景・理由
近年、日々増大するサイバー脅威から情報資産を安全に管理することは重要なテーマとなっている。また、IoTやクラウドシステムの普及など、ITシステムの技術革新によって企業がセキュリティを担保すべき範囲も拡大している。
そのような中、最近の高度化するサイバー脅威に対して、サイバー・セキュリティ業界では、以下図の通り、一部の対策以外は人手に頼った運用が中心と言われている。
近年では特に、大企業を中心にCSIRT(※)設置の動きが進んできているが、サイバー・セキュリティの人材不足が社会的に大きな課題となっている中で、脅威情報の分析など多くの部分で人手に頼っているのが現状である。このような状況から、多くの企業ではCSIRTの設置ができていない、または設置したとしてもきちんと機能していないといったケースが散見されていると言われている。
このような状況を踏まえ、サイバーリスク保険の販売を通じ、サイバーセキュリティに関する知見やノウハウをもつ東京海上日動と、世界トップレベルのセキュリティチームにより、サイバー攻撃を独自の視点で分析し、日本国内で対策技術の研究しているFFRIの両社は、それぞれの知見やノウハウを持ち寄り、日本の技術によって、サイバーリスクに関するセキュリティオペレーションの自動化を進め、より効率的なセキュリティ対策を開発すべく、共同研究に取り組むこととした。
※CSIRTとは、Computer Security Incident ResponseTeamの略。
企業や行政機関などに設置される組織の一種で、コンピュータシステムやネットワークに保安上の問題に繋がる事象が発生した際に対応する組織
2.共同研究開発の概要
東京海上日動とFFRIは共同研究の第一弾として、CSIRT業務運営を自動化することで、効率的かつ、低コストにCSIRTを運用するためのシステムや商品等を共同研究し、高品質な製品やサービスの提供を目指す。
具体的には、この共同研究で開発したシステムや商品を、サイバーリスク保険の付帯サービスとして提供できないか、また、東京海上日動が運営するサイバー・セキュリティ事業へ活用できないかなどを検討し、企業の課題解決や付加価値提供に貢献していく。 加えて、セキュリティインシデントの早期検出による速やかな保険金の支払い、取得したデータを活用したサービス品質の向上など、新たな分野でのビジネスモデル構築に向けても積極的に取り組んでいく。