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東京海上日動、人工衛星画像を活用した水災時の保険金支払いに関する取組状況を発表

東京海上日動は、Orbital Insight,Inc.(以下「Orbital Insight」)と連携し、人工衛星で撮影された複数の画像を人工知能(AI)で解析することにより、大規模な水災が発生した際に保険金の支払い対象となる被害エリアを早期に把握し、お客様への迅速な保険金の支払いに繋げるための実証実験を実施し、取組みを進めてきた。
この度、水災発生時に被害範囲や浸水の高さを数日程度で把握できる体制が整ったので、今後水災が発生した場合には実際に活用し、更なる精度向上に努めていく。
1.背景
台風や豪雨などにより大規模な水災が発生した際に、被害の状況を確認する対応においては、保険会社の査定担当者や損害鑑定人が現地で立会調査を実施し、有無責を判断(*)した上で、被害の状況の調査結果、現場の写真、被害額の見積書等に基づき、支払う保険金の額を算定・精査し、保険金を支払う。
水災が発生した際は被害が広範囲に及ぶため、正確な被害エリアを早期に特定することが課題となる。また、査定担当者が1件1件立会調査を実施し、有無責の判断を行うことに一定の時間を要することから、保険金の支払いまで一定程度の期間を要する。このように、大規模な水災発生時には相応の時間と人員を要することから、より迅速に被害の状況を確認するための体制を一層整備していく必要があった。
(*)保険金の支払い対象となるかどうかを判断する作業である。水災時の支払いの基準は、「地盤面から45cm以上の浸水、もしくは床上浸水」が条件となる。
2.取組みの概要
同社は、コンサルティング会社のアビームコンサルティング株式会社と共に、人工衛星画像のビッグデータ分析技術に強みを持つOrbital Insightと連携し、水災発生時の迅速な保険金の支払いに繋げるための実証実験を実施した(実施期間は2017年7月~2018年3月)。保険金の迅速な支払いに向けて人工衛星画像とAIを活用する取組みは業界初の試みであり、世界でも珍しい取組みになる。
Orbital Insightが提携する複数の企業から入手した可視光画像、SAR画像等の様々な衛星画像を組み合わせつつ、過去に発生した台風や水災被害における保険金の支払い実績(水災被害エリアの中で、どの範囲・エリアまで支払いが行われたか等のデータ)も加えてAIによる解析を実施することで、水災範囲、浸水高等を推定する。
3.期待効果と今後の取組み
同社は実証実験を実施した後、一部の水災被害への対応において人工衛星画像を利用した。
具体的には、画像から特定できる水災の被害エリアと、同社の火災保険等を契約しているお客様の所在地情報を照らし合わせることで、同社にまだ被害の連絡がないお客様に対して保険金請求の案内を実施し、無事保険金を支払いできた事例があった。
上記のような取組みを通じて、衛星画像活用に関する精度向上を目指してきた結果、実験当初は被害エリアの範囲や浸水の高さの特定に1ヶ月程度を要していたものが、数日程度で把握できる体制が整った。今後、本取組を実際の水災が発生した際に活用していくことで、以下の効果が期待できる。
(1)人工衛星画像のAI解析によって、保険金の支払対象であることが確認できた損害に対して、立会調査等を行うことなく保険金を支払うことで、通常2~3週間程度を要する水災時の保険金の支払い期間を大幅に短縮し、被害に遭った保険契約者に、迅速に保険金を支払える。
(2)水災による被害範囲や浸水の高さを、数日程度で特定することで、同社における損害サービス対応の品質向上が期待できる。具体的には、災害対応の方針を迅速に策定し、災害現場での損害サービス体制(立会調査要員の配置や損害査定体制)の早期決定や、お客様への漏れの無い保険金のご案内等ができるようになる。
同社は引き続き、お客様に寄り添った損害サービス対応を行っていくと共に、最先端のテクノロジーを活用することで、更なるお客様満足度の向上に向けて取り組んでいく。

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