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あいおいニッセイ同和損保、ブロックチェーン技術を利用したスマートコントラクト保険の実証実験を実施

あいおいニッセイ同和損保、株式会社シーエーシー(CAC)(以下「CAC」)とソラミツ株式会社(以下「ソラミツ」)は、ブロックチェーン技術「Hyperledger Iroha※1)」を利用したスマートコントラクト※2)保険についての実証実験を行った。
現在の損害保険では、紙の申込書、対面での保険契約手続がいまだ主流となっており、保険の契約書である「約款・特約」の交付、万が一事故が発生した場合の保険金請求も、基本的には紙の請求書と手作業による保険金審査で行われている。
一方、お客さまの購買行動、情報入手や銀行取引までもインターネット、特にスマートフォンを介したオンラインで行われることが社会的に当たり前となる中、損害保険もより便利に、よりお客様のニーズに合った商品・サービスを提供することが求められている。
ブロックチェーン技術はBitcoin(ビットコイン)をはじめとした仮想通貨(暗号通貨)にとどまらず、分散記録台帳の特性を活かした堅牢な情報共有システム、さらには契約の執行を自動化するスマートコントラクトなど、様々な分野への活用が世界中で幅広く検討・研究されている。同社はこの中でも特にスマートコントラクトに着目し、損害保険をスマートコントラクト化することにより、現在の損害保険が抱える様々な問題を解決するとともに、「従来にはない新たな顧客体験を提供する次世代の損害保険を創る」ことを目的に今回の実証実験を企図した。
このような背景の下、同社、金融・保険分野を中心にブロックチェーン応用開発に取り組むCACおよびHyperledger Irohaのオリジナル開発者であるソラミツの三社は、それぞれの分野で培った経験と知見を持ち寄り、ブロックチェーン技術を活用したスマートコントラクト保険の枠組みを共同開発し、実証実験を実施した。
実証実験ではHyperledger Irohaをブロックチェーン基盤として保険契約の申込、引受審査、再保険取引、事故通知、保険金審査・支払機能の大部分を自動化できるよう構築し、また、システム内だけで流通する独自トークンを活用した。保険契約をスマートコントラクトとして取り扱い、各手続きが発生と同時に電子的契約に基づいて自動で執行されることで、ペーパーレスに、かつ手作業を極力介すことなく取引が完了する手続きモデルとなる。これにより、お客さまにはスマートフォンだけで保険への加入、保険金請求をするだけでなく、保険料の支払いや保険金の受取りも即時に、かつ自動的に行うことが可能となる。
保険契約のスマートコントラクト化によって、保険契約の完全ペーパーレス化、手作業の極少化が実現し、お客さまが支払う保険料を低減することも可能となる。
また今後、P2P保険※3)やオンデマンド保険※4)、マイクロインシュアランス※5)への活用、更には今後の社会の変革により発生する新たなリスクに対する保険・サービスを展開することで、お客さまに対し新たな付加価値を提供することが可能となる。
三社は、ブロックチェーン技術及びスマートコントラクトを活用した損害保険を開発することで、保険契約に係る申込み手続きや保険金支払いの事務負担を軽減し、ますますデジタル化する社会のニーズに対応するスマートコントラクト保険を提供することを目指して活動していく。
※1<Hyperledger Iroha について>
Hyperledger Iroha は、Linux Foundation の主催する Hyperledger Project において、Active ステータスとして採択されているブロックチェーン・フレームワーク。ソラミツをオリジナル開発者、開発パートナーとして世界6社と1中央銀行がリードし、オープンソースコミュニティのメンバーと共に開発を継続している。
※2<スマートコントラクトについて>
スマートコントラクトとは、コンピュータネットワーク上で契約の自動的な検証、執行、実行を可能とする技術。第三者を介さずに信用が担保された契約を自動的に、迅速に、低コストで処理できるという特徴があり、ブロックチェーン技術の応用分野の一つとして、保険分野に限らず幅広い範囲への活用が期待されている。
※3<P2P 保険について>
P2P 保険は、Peer-to- Peer 保険の略称であり、友人や特定のグループで保険料を拠出し合い、リスクや割引などもそのグループ内でシェアする仕組み。
※4<オンデマンド保険について>
必要なものに必要なときだけ保険をかけることのできる仕組み。
※5<マイクロインシュアランス>
低価格・低コストで提供される保険。

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