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東京海上ホールディングス、再保険子会社を売却

東京海上ホールディングスは10月31日、同社子会社である東京海上日動の再保険子会社Tokio Millennium Re AG(以下「TMR」)及びTokio Millennium Re(UK)Limited(以下「TMR(UK)」)の両社(以下「TMR両社」)の全株式をバミューダ再保険会社RenaissanceRe Holdings Ltd.(以下「RenRe社」)に売却することで、RenRe社と合意した。
同社は、本件売却により、元受保険事業によりフォーカスするとともに、RenRe社との関係強化を図る。なお、本件売却は、関係当局の承認が条件となり、2019年3月末までの完了を予定している。
1.背景
同社グループは、2000年にTMRを設立し、海外再保険事業に本格参入した。それ以来TMR両社は、海外自然災害リスクをはじめ幅広い再保険引受による事業を展開し、グループの収益に貢献してきた。
一方、グローバル再保険市場を取り巻く事業環境は、料率競争の激化や再保険会社以外の資本の継続的流入によりソフトマーケットが常態化し収益性が悪化傾向にある。また、同社は2007年以降にキルン、フィラデルフィア、デルファイ、HCCといった大型買収を実施し、スペシャルティ種目を中心とした元受保険事業主体の分散の効いたポートフォリオを構築してきた。これに伴い、海外保険事業の収益における再保険の割合は、この10年の間に50%程度から10%未満に低下した。
こうした状況に鑑み、より収益性が高く安定した元受保険事業を更に拡大するという観点から、今般再保険専業会社であるTMR両社の戦略的位置付けを見直した結果、両社を売却することとした。
2.同件売却の意義
(1)事業ポートフォリオの戦略的見直し
同社としては、今般、再保険事業を専業とするTMR両社を売却することにより、先進国や新興国における元受保険事業を主体に事業展開していくこととした。これにより現在のグローバル事業環境と同社海外保険事業の戦略に適合したポートフォリオの戦略的見直しを図る。
(2)RenRe社との関係強化
バミューダ大手再保険会社RenRe社(*1)は、保険業界では優良な再保険会社の一つと高く評価されており、同社グループは長年に亘り再保険取引を通じ良好な関係にある。今般、本件売却に際し、同社グループは同社との再保険取引を拡大させ関係強化を図る予定である。
(*1)RenRe社の概要:1993年設立・本社バミューダ。ニューヨーク証券取引所上場(2018年9月末時点時価総額53.8億米ドル)。バミューダなど世界6拠点で再保険事業を展開。
3.本件売却の概要
(1)取引総額・条件
①取引総額は、TMR,TMR(UK)両社合計の有形純資産簿価の1.02倍の金額(2018年6月末時点では約15億米ドル(約1,685億円(*2)))(*3,4)となる。
②譲渡価額は、取引総額から売却前配当(*5)等を除いた額となる。
③譲渡価額は、現金とRenRe社普通株式(*6)の組合せとなる。
(*2)日本円の換算レートは、1米ドル=112.36円(2018年10月29日)を使用している。
(*3)クロージング時までの有形純資産簿価の変動等を反映させる。
(*4)同譲渡に係るアドバイザリー費用等は約20百万米ドル(概算額)である。
(*5)関係当局の承認が条件となる。
(*6)普通株式は最大250百万米ドルとなる。株価は、同件クロージング日の5営業日前から起算して30日間のニューヨーク証券取引所終値の加重平均値で算定され、12か月間譲渡が制限される。
(2)取引総額・条件の妥当性について
同社としては、適正な情報に基づく企業価値算定等各種分析により、取引総額・条件は公正かつ妥当と判断している。
4.日程
株式譲渡実行日2019年3月(予定)(*7)
(*7)スイス、英国当局他関係当局の承認が条件となる。
5.同社業績への影響
同件の売却による同社業績への影響は軽微であると考えている。
■TMR両社の概要株式譲渡の相手先の概要、譲渡株式数、譲渡価額及び譲渡前後の所有株式の状況については下記URLを参照
≪http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1639595≫

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