あいおいニッセイ同和損保、英国オックスフォード大学発のマクロコズム社と資本業務提携
Tag:あいおいニッセイ同和損保提携
あいおいニッセイ同和損保は、オックスフォード大学発のMacrocosmLtd.(以下「マクロコズム社」)と、世界最先端のエージェント・ベース・モデリング(以下「ABM」)技術※を活用したリスクソリューションの共同研究・事業化を加速するため、2025年12月12日に資本業務提携を締結した。
本提携により、地震・台風・洪水等の自然災害が日本企業約150万社の生産量や在庫に及ぼす影響を企業単位でシミュレーション可能な「サプライチェーン・ショック・モデル」を高度化し、様々なイベントが及ぼすサプライチェーンへの影響をグローバルで定量化していく。
※エージェント・ベース・モデリングは、経済などの複雑なシステムを研究するためのコンピュータシミュレーション手法。個々の「エージェント」(人や企業、政府など)を設定し、それらの行動や相互作用を時間の経過に沿ってシミュレートすることで、ネットワーク全体の振る舞いを可視化することが可能。
1.背景
近年、パンデミックや気候変動に伴う自然災害の多発、地政学リスクやサイバー攻撃によりサプライチェーンの脆弱性が顕在化しており、サプライチェーンの混乱は企業運営における大きなリスクとなっている。
一方、サプライチェーンは多数の企業が複数の地域に展開する複雑なネットワーク構造を有しており、混乱の影響を十分に定量化することは困難だった。
そこで同社は、傘下のAIOIR&DLab-Oxford(以下「R&DLab」)を通じ、マクロコズム社と2024年から約2年間にわたり共同研究を進め、ABM技術を活用した国内自然災害(地震・台風・洪水)によるサプライチェーンの混乱が、日本企業約150万社の生産量や在庫などに及ぼす影響を定量的にシミュレーションできる「サプライチェーン・ショック・モデル」を開発した。
さらに今般、マクロコズム社との資本業務提携を通じて「サプライチェーン・ショック・モデル」の高度化に取り組み、企業のサプライチェーンにおけるリスク評価や有事に備えたサプライチェーンの構築、リスク対策の立案を支援するとともに、企業ごとのリスクに即した保険ソリューションの提供を目指す。
2.資本業務提携の概要
(1)提携内容
●「サプライチェーン・ショック・モデル」の展開及び高度化
・同社の保険契約者を中心にコンサルティングサービスとセットで提供する予定
<ユースケース>
製造業 サプライチェーンの脆弱性の特定、生産量の変動予測
金融機関 貸出金デフォルト把握(ストレステスト)
保険事業 事業中断リスクの把握、災害発生時のマーケットロスの把握
・2026年度中に、国内自然災害(地震・台風・洪水)に限定しているシミュレーションのグローバルモデル化を予定。将来的には、関税やサイバーなどの様々なリスクイベントの追加を目指す
●取締役会オブザーバー選任
・同社から同社取締役会のオブザーバーを1名選任し、経営のモニタリングを行うとともに、開発に関する議論に参画
3)出資について
出資実行日・2025年12月23日
出資形態・第三者割当増資
3.今後の展開
同社は、サプライチェーン・ショック・モデルのUI/UXの改良に加え、今後も国内外のリスク動向を注視し、新たに顕在化・甚大化するリスクに対応するソリューションを開発することで、従来の保険の枠組みにとどまらない価値を提供し、より豊かでリスクに強く、持続可能な社会の実現に貢献していく。
関連記事(保険業界ニュース)
関連商品








