新日本保険新聞社・シンニチ保険WEB

イーデザイン損保、NTTCom、生成AIを活用した顧客接点の高度化の実証実験を実施

イーデザイン損保と、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下「NTTCom」)の2社は、1月~3月にかけ、カスタマーセンターへの問い合わせが多い自動車保険の車両入替業務をユースケースとして、生成AIを搭載したアバター(以下「バーチャルコンシェルジュ」)の精度の検証(以下「本実証実験」)を実施した。
■背景と目的
イーデザイン損保のWebサイトにおける各種手続きは、お客さまに不便をおかけすることなく自身で手続きを完結できるようデザインしている。しかし、お客さまの中にはPCやスマホ操作に不慣れな方、手続き中に不明な点が生じる方もいらっしゃり、カスタマーセンターには一定数の問い合わせがある。
そこで、多くのお客さまに不便なく手続きを完結できるような顧客体験の実現に向けて、両社は生成AIを活用した顧客接点の高度化に関する実証実験を行うこととした。
■本実証実験の内容と成果
本実証実験では2024年1月~3月の3ヶ月間にわたり、以下の観点において検証を実施した。
(1)生成AIによる対話精度
車両入替手続きに関する対話のやりとりやFAQを生成AIに組み込み、カスタマーセンターでの応対を想定した対話モデルを構築した。この際、通常の車両入替手続きに加え、主な運転者が変更となるなどイレギュラーなケースを含む5種類のシナリオを組み込んだうえで、対話の精度、応答速度などにつき評価を実施した。結果、将来的には顧客接点として商用化が可能な水準と評価し、実用化を目指して検討を進めるとの結論に至った。
(2)バーチャルコンシェルジュのデザイン
De-IdentificationLtd.の最先端動画生成AI(Creative Reality Studio)を活用して、実在の社員を基にしたバーチャルコンシェルジュを生成し、外観や動作などの評価を行った。その結果、人間としての自然な動作、応答速度などに課題は残るものの、実務における顧客接点として活用できる可能性があるとの結論に至った。
(3)安心・安全な対話の実現
悪意のある問いかけ、ハルシネーションの発生などを想定した対話を複数の生成AIに投入し、生成AI側に実装されたフィルター機能の確認を実施した。
実用化に向けては一定の効果は確認できたが、ルールベース(あらかじめ定められた内容を回答)との融合などさらなる検討が必要であるとの結論に至った。
■各社の役割
イーデザイン損保:利用シーンの定義、対話シナリオの提供、本実証実験の評価
NTTCom:本実証実験で利用するシステムの構築およびバーチャルコンシェルジュのデザインチューニング
■今後の展開
イーデザイン損保は本実証実験の結果を踏まえ、引き続き最新技術を活用した顧客体験のさらなる向上を目指す。
NTTComは本実証実験の成果をもとにNTTグループが推進するNTT版大規模言語モデル「tsuzumi」の活用も視野に入れながら、金融業界の顧客接点の強化を目指し、バーチャルコンシェルジュの高度化を目指す。

関連記事(保険業界ニュース)

損保

SBI損保、アルティウスリンク、自動車事故受付センターにおけるCX向上を目指し、生成AI活用の実証実験を開始

損保

損保ジャパン、SOMPOリスク、食品ロス削減に寄与する損害防止サービス開発に向けた実証実験を開始

損保

三井住友海上、「車両水没緊急アラート」の実証実験を開始

損保

イーデザイン損保、「車VS自転車の対立問題」を調査~車と自転車、双方の約8割が「相手にもっと配慮してほしい」と回答

損保

三井住友海上、安全・安心な自動運転の普及を目指して、遠隔監視・事故対応サービスの構築に向けた実証実験を開始

損保

イーデザイン損保、生成AIを活用した業務支援ツールを開発、事故対応サービス業務を高度化

損保

損保ジャパン、西東京市での「歩行者先進安全支援」実現に向けた共同実証に参画

生保

三井住友海上あいおい生命、生成AIを起点にDXを加速

損保

イーデザイン損保、専門家が選んだ自動車保険ランキングで「&e」が11年連続1位を獲得

損保

あいおいニッセイ同和損保、【国内初】オンデマンド型自動運転(Lv.4)サービスの社会実装に向けた自動運転遠隔監視実証を実施