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SOMPOホールディングス、音声で嚥下機能を評価する技術を共同研究開発

SOMPOホールディングスおよびSOMPOケアとPST株式会社(以下「PST」)は、スマートフォンやタブレットなどで音声を解析して高齢者の嚥下機能※評価を行う技術を共同研究開発し、2022年に事業化することを合意した。
1.背景・目的
年々進む社会の高齢化において、嚥下機能低下による誤嚥性肺炎の増加は重大な社会的課題であり、その対策は急務となっている。厚生労働省の発表(令和2年(2020)人口動態統計の概況)によると、令和2年では、42,746名の方が誤嚥性肺炎で亡くなっており、日本人の死因順位の6位となっている。しかし、高齢者の嚥下機能評価を実施できる「摂食嚥下障害認定看護師」や「言語聴覚士(ST)」といった専門職の人材は不足しているのが現状である。そのため、嚥下機能の低下に合わせて形態等を調整する嚥下食は進歩しているにもかかわらず、嚥下機能評価を十分に受けることができない現状では個々に最適な嚥下食を提供できないという課題がある。
そのような背景のもと、音声で健康状態や機能を判定する「音声病態分析技術」を有するPSTとSOMPOホールディングスが運営する未来の介護研究所「Future Care Lab in Japan」、SOMPOケアは、音声から高齢者の嚥下機能を評価する技術開発を目的とし2020年7月より共同研究を開始し、精度の高い評価技術の開発を目指し、データの蓄積や判定方法(アルゴリズム)の検証を実施してきた。すでに共同での特許出願も行い、本技術を活用して高齢者の誤嚥性肺炎の予防や適切な食形態の提供に向けて、事業を展開していく。
2.嚥下機能評価技術の概要
今回開発した嚥下機能評価技術は、PSTが以前より研究開発に取り組んでいる、ヒトの機能や病態の違いによる音声変化を解析・判定する「音声病態分析技術」を元にした、いくつかの音声から嚥下機能の状態を分析し、蓄積されたデータを元に評価を行う技術である。
通常、嚥下機能評価には以下の方法が用いられるため、簡便に、また恒常的に行うことが難しいとされている。
・「摂食嚥下障害認定看護師」や「言語聴覚士(ST)」が飲水・摂食時の状態を評価
・内視鏡を使用して嚥下の様子を直接観察(嚥下内視鏡検査)
・造影剤を含んだ食品を飲み込み、通過する様子をX線照射により観察(嚥下造影検査)
今回研究開発した技術を活用すると、専門職の経験値や専用の機器を必要とせず、手持ちのスマートフォンやタブレットを使用し、複数パターンの発声をするだけで即時に嚥下機能の定量評価が可能となる。
また、最先端の解析手法を取り入れたPSTの「音声病態分析技術」は言語に依存しない解析技術であることから、海外での展開が可能であることも今回の新技術の特徴である。
これにより、日常的に嚥下機能をチェックし日々の推移を確認できるため、嚥下機能の低下を見逃さず専門的な検査へと進むことが可能になる。さらに、常に嚥下機能のレベルを把握しておくことで最適な嚥下食の提供を行え、重大な事象を未然に防ぐことにもつながる。
3.今後の事業展開
SOMPOホールディングスおよびSOMPOケアでは、本技術について、介護サービスにおける事業化や技術活用のノウハウやサービスを含めた幅広い場面での利用を目指す。
PSTでは、本技術のさらなる研究開発を進め、さまざまな事業体への提供を行う事業を進める。
これらの事業を通じて、3社で協力して高齢者の嚥下機能低下に関する社会課題の解決に貢献していく。

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