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東京海上日動、災害体験ARを開発

東京海上日動と東京海上ディーアール株式会社(以下「TdR」)は、河川氾濫による浸水や土砂災害が発生した際のリスクを、スマホやタブレットで疑似体験できる「災害体験AR」を共同開発した。
「災害体験AR」の提供を通じて、より多くの人に浸水や土砂災害のリスクを身近に感じてもらい、社会全体の防災意識を高めることに貢献していく。
1.背景・目的
近年、全国各地で水災による甚大な被害がもたらされている。2019年に発生した台風15号や2020年7月に九州地方で発生した豪雨では、河川氾濫や大規模な浸水、土砂災害が発生した。激甚化・頻発化する水災の被害を最小限に抑えるためには、災害を「自分ごと」と捉え防災意識を高めていくことが重要となる。
同社とTdRは、水災のリスクを「自分ごと」として感じてもらうとともに災害発生時に適切な行動をとってもらうため、河川氾濫による浸水や土砂災害が発生した際のリスクをスマホで疑似体験できる「災害体験AR」を開発した。
2.災害体験ARの概要
「災害体験AR」は、AR※1技術を活用しており、スマホのカメラ機能を通じて水災発生時の浸水や土砂災害の状況を可視化する。QRコードを読み取ることで体験することが可能である。
※1 AR(AugmentedReality・拡張現実):実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示をさせること。
【災害体験ARの主な特長】
⚫TdRが全国から収集した国管理河川の想定浸水深を地理情報システム(GIS)上で集約し、TdRが独自に整備したハザードマップ情報と連携。
⚫2015年5月に改正された水防法※2に基づき公表された想定最大規模(1000年以上に一度の最大規模の降雨)と河川整備計画の基本となる計画規模(一級河川の主要区間で概ね100年~200年に一度の降雨)の両方をAR体験可能。
※2 水防法:洪水や高潮等を警戒・防御し、被害を軽減することを目的として1949年に施行された法律。
⚫日本全国を対象としており、全国どの地点でもリスクを可視化できるため、離れて暮らす家族のリスク確認にも活用可能。
【災害体験ARのコンテンツ】
⚫洪水
①「地点を設定して体験」モード
②「深さを設定して体験」モード
⚫土砂災害
①「地点を設定して体験」モード
②「災害を選択して体験」モード
【グローバル展開】
⚫日本企業が多く進出しているタイにおける浸水深を可視化できるため、海外進出企業の工場や従業員の自宅におけるリスクも把握することが可能である。EuropeanCommissionが有する研究機関であるJointResearchCenter(JRC)が提供するDataCatalogueに基づき取得した洪水による浸水深を活用している。今後のニーズに応じて、タイのみならず、グローバルベースで展開していく予定である。
3.防災・減災の取り組み
「災害体験AR」では、コンテンツ内に同社公式ホームページ「あしたの笑顔のために~防災・減災情報サイト~」へのリンクを作成している。本サイトでは、災害が発生した場合に必要な行動や、災害から自分や家族を守るために準備しておくべきことなどを紹介している。
▼ホームページ:あしたの笑顔のために~防災・減災情報サイト~
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/world/egao/
4.今後の取り組み
「災害体験AR」は、小学生の防災教育ツールとしての活用や自治体や企業と連携した住民への提供、スマートシティでの活用を進めていく。また、21年8月以降は、同社公式ホームページや同社独自のモバイルアプリ「モバイルエージェント」を通じて広く展開していく予定である。
同社は今後も、防災や減災につながるサービスの提供を通じて、災害に強い社会づくりに貢献していく。

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