損保協会、石川協会長が協会長ステートメントを発表
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損保協会の、石川協会長が協会会長就任にあたり、所信を述べた。
1.はじめに
「先日の岩手県沖および山梨県を震源とする地震、ならびに先週末にかけて各地に被害をもたらした台風により、お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
被災された皆さまが一日も早く平穏な日常生活を取り戻せるよう、業界を挙げて迅速かつ適正な保険金のお支払いに取り組んでまいります。
さて、当業界は、保険金不正請求事案、保険料調整行為事案および情報漏えい事案といった一連の不祥事によって、お客さまと社会からの信頼を損ね、お客さまをはじめ関係者の皆さまに多大なるご迷惑とご心配をお掛けしたことを、あらためて深くお詫び申し上げます。
現行の第10次中期基本計画(2024年4月~2027年3月)では、旧来の業界慣行を抜本的に見直すとともに、「お客さま本位の業務運営の徹底」と「健全な競争環境の実現」に向けて、業界一丸となって取り組んでおります。
そして、保険業法と「保険会社向けの総合的な監督指針」(以下「監督指針」)の一部が改正され、本年6月1日に施行されました。当業界はこれを単なるルールの見直しではなく、事業のあり方そのものを根底から見つめ直し、「真にお客さまの最善の利益を追求する業界」へと生まれ変わるための不可逆的な変化とすべく取り組んでまいります。
各種制度・枠組みが実行フェーズに移るなか、実効性を高め、当業界が「変わった」ことを実感していただけるよう、全身全霊で尽力いたします。」
2.環境認識
当業界を取り巻く環境は、かつてないほどの速さで変化し、不確実性が飛躍的に増大している。
国内においては、自然災害の頻発化・激甚化が常態化し、気候変動の影響は深刻さを増している。また、我が国の経済は長きにわたるデフレから転換し、インフレ(物価上昇)が常態化する新たな局面を迎えている。これらは持続可能な保険制度の運営において構造的な課題となっており、的確な対応が急務となっている。
国際情勢に目を向けると、国家間の対立や紛争に起因する地政学リスクが依然として高い状態にあり、サプライチェーンの分断やエネルギー安全保障を脅かすリスクなどが、グローバル経済の不確実性を一段と高めている。
さらに技術の進展においては、AIの社会インフラ化などデジタル技術の進化が目覚ましい一方で、サイバー攻撃の高度化・巧妙化に伴うサイバーリスクの深刻化が、国家や企業の根幹を揺るがす新たな社会課題として顕在化している。
このような複雑なリスク環境下において、損害保険会社は事後の経済的補償にとどまらず、社会全体の防災・減災や早期復旧の支援等を通じて社会と経済のレジリエンスを根底で支え、サステナブルな未来と人々のウェルビーイングに貢献する「不可欠な社会インフラ」として、その真価が問われる局面にあると強く認識している。
3.取組方針
このような環境認識のもと、同協会は、第10次中期基本計画の最終年度となる2026年度においても、「お客さまおよび社会からの信頼回復に向けた取組み」を引き続き最優先課題として取り組んでいく。
現中期基本計画の最終年度として、新たな制度・枠組みを確実に実行し、業界への浸透と実質的な改善を図ることで、次期中期基本計画に向けた揺るぎない土台を築き上げると同時に、社会インフラとしての価値を高めるべく尽力していく。
4.具体的な取組み
(1)お客さま・社会からの信頼回復に向けた取組み
①損害保険代理店の業務品質向上
ア.代理店業務品質評価制度の実効性向上
イ.比較推奨販売の適正化に向けた対応
ウ.代理店募集人資格制度の再構築
②お客さま(個人・企業)への分かりやすい情報提供
ア.消費者向けの分かりやすい情報提供
イ.企業におけるリスクマネジメント高度化支援と健全な保険市場の育成
③保険金不正請求対策の強化
ア.消費者向け啓発活動の強化
イ.業界内の対策強化
(2)第10次中期基本計画の重点目標に関する取組み
①損保業界の成長を支えるビジネス基盤の整備
ア.自賠責保険におけるお客さま利便性向上
イ.外部委託先管理の高度化
②社会・保険制度のレジリエンス強化
③消費者・事業者へのリスクマネジメントの理解浸透
(3)アジア地域への貢献と国際協調に向けた取組み
5.おわりに
「第10次中期基本計画の最終年度となる2026年度は、これまでの信頼回復に向けた歩みを確かなものとし、次期中期基本計画へとつなげる極めて重要な一年です。
損害保険という社会インフラを通じて、安心・安全で持続可能な社会を実現し、国民生活の安定と経済の発展に貢献していくことこそが、いかなる環境変化にあっても決して変わることのない損害保険業界の使命であると確信しております。
この一年、皆さまから「損害保険業界が変わった、そしてこれからも社会を支えてくれている」と実感していただけるよう、全会員会社とともに、課題解決に向けて全力で取り組んでまいる所存です。皆さまからのご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。」
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